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誰にも言えない!
第6章 内緒の関係
先生の声は低く掠れていて優しかった
私は意外な質問に
先生の顔全体が見えるように少し顔を遠ざける
はっきりと見えた先生の顔は
切なく歪んでいた
「俺は教師だよ
七海が卒業するまでは
デートだって人目のつく所には行けないし
七海が遠くの大学にもし行きたいと思っても
俺が負担になるかもしれない
俺はここを離れられないから」
ずっと先生はこんなことを考えていたのかと思うと心が締め付けられた
(私はそんなこと、気にしてないのに・・)
私はそう考えながらゆっくりと口を開いた
「先生、私は
先生だから好きになったんです
きっと教師でも先生が同級生でもきっと好きになったと思います」
(だって先生は、私が生徒でも好きになってくれたんだから)
私は先生の瞳の奥に訴えかけるように見つめ返す
「先生だって、私のこと生徒でも好きになってくれたんでしょ?」
「そうだな…
だけど七海に他に好きな人が出来たり
俺の事を負担に感じたりした時は
俺のことは気にせず離れていけばいいからな」
先生は眉を下げ笑う
(そんなこと、言わないで…)
先生の言葉と表情に
私の胸が軋むように痛くなった