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誰にも言えない!
第6章 内緒の関係
電車に乗り込むと私は少しだけよしくんと離れて座った
「なんでそんな離れんだよ」
いつもは電車が一緒でも
何のためらいもなく隣に座っていた
だけど先生と付き合い始めてから
少しだけ意識してしまう
「あ…」
(そっかよしくんは…、
よしくんは何も知らないんだから
変に思うよね)
私がそう考えていると
よしくんは私の隣へと席を移動した
そして
「なあ…
最近七海、何か変だろ?」
動揺する私の顔を覗きこみながら
よしくんはそう言った
「……っ」
あまりの突然の問いかけに
口をつぐんでしまう
「やっぱりか…
なんかあった?
その、好きな人のこと、か…?」
よしくんは私の顔を窺うように私を見る
「話せるなら話してほしい
俺は何でも聞くから」
(よしくん…)
真剣に心配してくれているよしくんに
胸がちくりと痛んだ
(でも、言っちゃだめだよね…)
「ううん、何もないよ
最近ちょっと疲れてるのかも…」
(また、嘘ついちゃった…)
「そうか…
あんまり無理するなよ
勉強なら一緒にしてやってもいいし」
そう言って優しく微笑むよしくん
「うん、ありがと」
私も精一杯、笑顔で答えた
(ごめんねよしくん
いつか、ちゃんと話すから…)