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誰にも言えない!
第6章 内緒の関係
それから電車に5分ほど揺られ
目的の駅に到着した
二人で電車を居り、私はよしくんの少し後をついて歩いた
改札を抜けると
よしくんが立ち止まってこちらを見る
「七海はこれからどうするの?」
「…っ、友達を、待ってるの」
「じゃあそれまで俺も一緒に居ようか?」
私の嘘を信じて優しくそう言ってくれるよしくん
だけど、友達だって来るはずもないし
私の視界の端っこに
先生の車が見える
「ううん、大丈夫だよ
もうすぐ来ると思うから」
「そうか…
じゃあ俺もう行くから、気をつけてな」
「うん、ありがとう」
そう言ってよしくんが後ろを向いて塾に向かうのを
私は笑顔で手を振って見送った
(ごめんね、よしくん)
心の中でそう呟きながら…
私はよしくんが行ったのを見届けて
先生の車へと向かった
グレーのセダン
先生の車は見たことはあっても
乗せてもらうのはこれが初めてだ
助手席の方に立つと先生が身を乗り出し
ドアを開けてくれた
「おはよ、乗っていいよ」
内装は黒で統一してあってシートは革だ
「し、失礼します…」
高級感があって緊張しながらも
私は車に乗った
「おー、どうぞ」
先生はそんな私を見て笑っている
私がドアをバタンと閉めると
先生は車を発進させた
二人に向けられる視線にどちらも気づかないまま…