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彼女はボクに発情しない
第12章 夏の初めの多重旋律
☆☆☆
やっぱり陽太がいないとちょっと移動に時間がかかる。

普段は15分ほどで移動できるのだが、目についた男性を大きく迂回したりしていると30分以上かかってしまう。下手に裏道などに入ると、間近で男性とすれ違う可能性があるので、それもあまりしたくない。

やっと、駅にたどり着いて一安心だ。後は電車に乗るのだが、空いている電車を見計らって乗らなきゃいけない。これもまた、時間がかかる。

改札で少し嘆息する。まあ、しょうがないか。

気を取り直して改札をくぐろうとすると、ふと視界の端でハッピを着てチラシを配っている女性を見つけた。なんということなしに近づいて、受け取ってみる。

チラシには、

『須賀大社古伝祭 夏祭り』

とある。大きく浴衣の男女がプリントしてあり、右上には『縁日』『浴衣コンテスト』などの文字が踊っていた。左下には神社の縁起が簡単に紹介されていた。

『須賀大社は日本で初めて結婚をした素戔嗚命を御祭神としており、全国から縁結びを求めて参拝者が多く訪れています。』

縁結び・・・?

『縁とは目に見えない繋がりのこと。願いを込めて縁を結ぶことで、人の心や想いをつなぎ、留めることができるのです』

ギュッとそのチラシを胸に押し付ける。別に悪いことをしているわけではないのに、周囲をキョロキョロと見回してしまった。

陽太を・・・誘ってみようか・・・。

二人で浴衣を着て、夏祭りに行かれたら・・・、それはなんと素敵なことだろう。
浴衣だったら、お母さんのがあったと思う。陽太は・・・?まあ、それは後で考えよう。
と、とにかく・・・早く帰って、色々確かめなければ・・・。

先程までの警戒心はどこへやら、私はそそくさと電車に乗るべくホームを目指していた。
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