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彼女はボクに発情しない
第13章 組曲:夏の夜の願い ”異榻同夢”
10分ほどして、陽太からメッセージが来た。

『奏様・・・どうかボクと夏祭りに浴衣を着て一緒に行ってください』

あまりにも効果がてきめんなものだから、思わず笑ってしまった。いったい、何をどうやったのだろうか?
とにかく、風香ちゃんに心のなかでありがとうと言いながら、返事を送る。

『分かりました。私は大丈夫です』

本当は『嬉しい!行きたい、行きたい♡』くらい書きたかったのだが、どうしても照れが先に立ってしまい、事務的なメッセージになってしまう。

ゴロンとベッドに横になる。『陽太からメッセージが来た!ありがとう』と風香ちゃんにお礼のメッセージを入れ、思わずスマホを抱きしめてしまう。

陽太と一緒にお祭りに行ける・・・。
じわっと嬉しさが込み上げてくる。

ああ、今、きっと、私、すごいニヤけた顔をしている、と思う。

明日、お母さんに浴衣を出してもらおう。そうだ、髪型はどうしよう。浴衣に合わせられるポーチとかあるかしら?
色々考え出すとワクワクしてくる。
こんな気持で明日を待てるなんて、なんて、幸せなんだろうか。

思いながら、私はとりあえず目の前のやるべきことー今はお風呂に入ることーに取り掛かることにした。
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