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彼女はボクに発情しない
第4章 妖精の夜想曲
【Fairy Nocturne】

今日も無事に自分の部屋に戻ってこられた。

制服を着替え、シャワーを浴びる。制服の消臭をし、シワをハンディアイロンで伸ばす。
一連が終わると、やっとホッとできた。

ばふん、と部屋着のままベッドにダイブする。枕に顔を埋める。また、ため息が出る。

『そんなに溜息ついてっと、幸せが逃げるぞ』

いつだったか、陽太にそう言われた気がする。

ダメだー。私、本当にダメだ・・・。

今日も陽太の手を煩わせてしまった。仕方ない、仕方ないと心の中で言い訳をする。
だって、私のPIHのことを知っているのは陽太だけ。
陽太以外に頼ることのできる人はいない。
発作の最中は自分で自分をコントロールできない。

たくさん言い訳をする。
それでも、恥ずかしい。自分の痴態を思い出すと、頭を抱えて叫びだしたくなる。

今日は、電車の中だった。私はいつも用心していて、乗れるときは必ず女性専用車両に乗っている。しかし、帰りの時間帯には女性専用車両が設置されていないので、帰りはなるべく男性が少ないところを選んで乗るよりほかない。今日もそうしていたのだが、座って文庫本を読んでいる時、目の前に30代くらいのサラリーマンが立った。

そのサラリーマンが決して悪い訳ではない。何がきっかけなのかは分からないが、その時、私の鼻腔をかすかな匂いがかすめたのだけはわかった。

瞬間、動悸が激しくなり、カッと頭が発火するような感覚に襲われる。ドクンと心臓がひとつ脈打つと、目の前の景色がうす赤く染まった。

来ちゃった・・・。

次に変化が訪れるのは嗅覚だ。男性の体臭を強く感じだす。目の前のサラリーマンから発散されている匂いが私の脳髄を直接刺激してくるかのようだ。

そうしたくないと、わずかに抵抗するが、あらがっても無駄。私はその匂いを身体中に取り込むように深く呼吸してしまう。

そして、そうすればするほど、お腹の中がずくん、ずくんと疼き出す。医師によると子宮が周期的に収縮しているのだそうだ。本来はセックスをし、エクスタシーを感じたときに生じる反応なのだそう。匂いだけで私の体は受精のための準備宜しく、男の人の精液を欲して蠢き出してしまうのだ。

ああ・・・発情だ。
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