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彼女はボクに発情しない
第4章 妖精の夜想曲
こんなふうな身体の変化が起こると、間もなく精神にも影響が及び始めるのを知っている。
そうなる前に最寄り駅についたので、とにかく場所を変えないとと思い、私は電車を降りて走った。

次第に視覚にも変化が出始める。世界が灰色に沈み、通行人の中で男性だけが輝くように際立って見える。全ての男性が私にとって魅力的に見えてくる。

ああ・・・精神にも影響が出だした・・・。

私はここからを個人的に『第二フェーズ』と呼んでいる。とにかく欲求、性欲が高まるのだ。目につく男性に抱きつき、キスをし、その性器を貪りたいという焦がれるような欲望が頭をもたげる。これは時間とともに高まり、そのうちコントロール不能になる。

これじゃあ家まで、間に合わない・・・。

仕方なく、私は駅ビル横にあるスター◯ックスに飛び込み、そのままトイレに入る。とにかく刺激を遮断しないと、私が誰かを襲ってしまいかねない。

スマホを取り出し、一番表にある星型のシンプルなアプリアイコンをタップする。このアプリは陽太が作ってくれた私専用の緊急通報アプリだった。
ワンタップで陽太にSOSメッセージと現在の居場所を送信できる。

自分の息が荒くなるのを感じる。アソコがジュンジュンとエッチな液を吐き出しているのが分かる。身体が変わり始めた。

『第三フェーズ』だ。

陽太に言わせると、私自身の表情、態度、そして、なによりも匂いが蠱惑的、誘惑的になるという。近くに男性がいれば、容易に性的に興奮し、私を襲うようになる。実際、このフェーズのせいで、私は何度も犯されかけ、その度に陽太に助けられている。

この状態になると、もう自分では身体も心もコントロール不能になってしまう。ここから出ないように自分を押し止めるのが精一杯だ。

身体がカッと火照り、熱い。スカートと下着が邪魔だったので、脱ぎ捨てた。洗面台に座ると、お尻に直接当たる石の感触がひやりとして心地よかった。

「あん♡」

全身の性感が高まっており、何かが触れるだけで甘い声が漏れてしまう。早く触りたい。肌を合わせたい。誰でもいい。気持ちよくなりたい。快感を貪りたい。
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