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彼女はボクに発情しない
第17章 恋敵協奏曲
一応、それで交渉はまとまった。
その場で優子ちゃんがキッと私を見つめる。本気の眼差しだ。
「私、必ず落としますから!」
普段のおっとりした様子からは想像もつかない気迫だった。そうだ、卓球勝負のときの彼女の様子を忘れていた。これもまた、彼女の持つ一面なのだ。

これは、宣戦布告だ・・・。

そう思うと、私の中でメラメラと燃え上がるものがある。
「私だって!陽太を・・・。それに、勝負なんだから、どっちが負けても、恨みっこなしよ」

こういうのを売り言葉に買い言葉というのだろう。ああ・・・自分の負けず嫌いが恨めしい。この勝負、望むところ・・・だ・・・と言いたいが、はっきり言って自信はない。
陽太・・・本気出した優子ちゃんの方にフラフラと行ってしまったりしないだろうな・・・。

「それに・・・」
優子ちゃんが顔を更に赤くしてうつむく。
「私も、高山くんに、あんなことされてみたいし・・・」
声が思いっきり小さくなる。

え・・・?あんなことって・・・あんなことだよね。
ギシっと私も身体が固まる。自分の『発情』時のあれやこれやを思い出してしまい、耳まで赤くなる。

「だ・・・ダメ!ダメ!!!陽太は私のなんだから!」
そんな!陽太が、もし、優子ちゃんにあんなことやこんなことをしたら・・・私・・・た・・耐えられない!!!
「た・・・高山くんは決着がつくまで誰のものでもないです!それに・・・病気だからって・・・奏ちゃんだけ、あんな気持ちよさそうで・・・ず・・・ずるいです!私だって・・・私だって・・・してほしい・・・。」
優子ちゃんが負けず劣らず顔を赤らめて、それでも断固として主張する。
いや、ずるいったって・・・。
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