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彼女はボクに発情しない
第17章 恋敵協奏曲
☆☆☆
「お待たせ、陽太」
奏が戻ってきた。

「高山くん、一緒に帰りましょう」
なぜか、さっき涙ぐんで走っていった優子もいる。笑顔・・・というか、何か思い詰めたような顔にも見える。どういうこと?

「陽太は、私と家が隣なの。一緒には私が帰るんだから」
奏がにこやかに優子に言う。
「でも、駅までは一緒に帰れますよね」
負けじと優子もほほえみ返す。

なんだ、この二人。顔は笑っているけど、何か・・・妙な緊張感がある。
そして、二人揃って、笑顔でこっちを向いた。

「陽太」
「高山くん」

「「一緒に帰りましょう」」
なんか、知らんが・・・すごい迫力だ。

「はひ・・・」

結局、この日は3人で仲良く(?)帰ることになった。

このときボクは、何かとんでもないことが起きるような漠然とした不安だけがあった。実際、1週間後、それが現実となるのであるが、このときのボクは知る由もなかった。
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