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彼女はボクに発情しない
第19章 キスに焦がれる輪唱曲
「陽太」
「奏」
一緒に声を出してしまった。気が合うな、変なところで。
「なに?奏?」
奏の言おうとしていることのほうが大事な気がする。
何かをずっと言いそびれているような感じだったから。
ギュッと、奏が手に力を込めたのが伝わってきた。
「私・・・陽太に謝りたい」
なんか、予想しなかった言葉が来た。どういうこと?
「ずっと、謝りたかった。私のせいで、よ・・・陽太を縛っちゃって。」
見ると、奏の頬に涙が光っていた。
「私の病気がなければ、陽太はもっと普通に生活できたんだと思う。友達と遊んで、恋をして、楽しいことももっといっぱいあって。」
そんな・・・そんなこと、思ってもみなかった。
奏は奏でボクと全く逆のことを思っていたんだ。
奏はボクの楽しみを奪っていると思っていた。
ボクは奏の楽しみを奪っていると思っていた。
理由はちょっと違うけど、同じ様に互いに思っていたんだ。
「優子ちゃんに、告白されたんでしょ?」
どきりとした。奏はうつむいているので表情が見えない。
「わ・・・私・・・陽太に守ってもらってばっかりで、すごく恥ずかしいところばかり見せちゃって、嫉妬深くて、嫌な子で、本当に、本当にダメなんだけど・・・。だけど、私は・・・」
奏が立ち止まる。砂浜にボタボタと涙が落ちているのが見えた。
「奏」
一緒に声を出してしまった。気が合うな、変なところで。
「なに?奏?」
奏の言おうとしていることのほうが大事な気がする。
何かをずっと言いそびれているような感じだったから。
ギュッと、奏が手に力を込めたのが伝わってきた。
「私・・・陽太に謝りたい」
なんか、予想しなかった言葉が来た。どういうこと?
「ずっと、謝りたかった。私のせいで、よ・・・陽太を縛っちゃって。」
見ると、奏の頬に涙が光っていた。
「私の病気がなければ、陽太はもっと普通に生活できたんだと思う。友達と遊んで、恋をして、楽しいことももっといっぱいあって。」
そんな・・・そんなこと、思ってもみなかった。
奏は奏でボクと全く逆のことを思っていたんだ。
奏はボクの楽しみを奪っていると思っていた。
ボクは奏の楽しみを奪っていると思っていた。
理由はちょっと違うけど、同じ様に互いに思っていたんだ。
「優子ちゃんに、告白されたんでしょ?」
どきりとした。奏はうつむいているので表情が見えない。
「わ・・・私・・・陽太に守ってもらってばっかりで、すごく恥ずかしいところばかり見せちゃって、嫉妬深くて、嫌な子で、本当に、本当にダメなんだけど・・・。だけど、私は・・・」
奏が立ち止まる。砂浜にボタボタと涙が落ちているのが見えた。