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彼女はボクに発情しない
第22章 陽気な家族のための小舞曲
イメージの中でフラフラになった陽太にナース服を着た私が駆け寄り脈を取っている。
「先生!バイタル下がってます」
同じく、隣にいるこれまたナースの私が血圧を確認し、
「これ以上は命に関わります」
とエマージェンシーを発する。
数人のナース私が、中央にいる医師服を着たドクター私を一斉に見る。判断をせねば・・・。
「むう・・・仕方がない。一旦施術をやめ、患者のバイタルを安定させよう」
ドクター私は、厳かに宣言した。
「じゃあ、おやつにしましょう」
時刻は5時になろうとしていた。
☆☆☆
リュックに入れて持ってきたおやつを私、陽太、風香ちゃんの3人で分け合う。20分ほど休憩したのち、残りのリスニングに取り掛かる。今日中に半分くらいは終わらせたい。
陽太の頭から薄っすらと煙が立ち上り始めた頃、この家の呼び鈴が鳴った。
どうやら、正美伯父さんが到着したらしい。
私達は、陽太のお父さん、高山喬と喬の兄であるところの正美さんが談笑している所に呼ばれた。八知おばさまが申し訳無さそうにこっそり手を合わせている。
まあ、お邪魔させていただいている以上、ご挨拶をしない訳にはいかないですよね。
私が名乗ると、正美伯父さんは立ち上がって目を丸くする。
「おお!!四宮さんのところの奏ちゃんかぁ!見違えたよ!大きくなったなぁ!」
顔がいい色に日焼けしている。デニムっぽい生地のオフホワイトのおしゃれな半袖に、目の覚めるような白色のスラックス、これまた白色のストローハットという、見ようによってはどこぞの人買いのようにも見えるファッションだった。
10年前と少しも変わっていない。
「先生!バイタル下がってます」
同じく、隣にいるこれまたナースの私が血圧を確認し、
「これ以上は命に関わります」
とエマージェンシーを発する。
数人のナース私が、中央にいる医師服を着たドクター私を一斉に見る。判断をせねば・・・。
「むう・・・仕方がない。一旦施術をやめ、患者のバイタルを安定させよう」
ドクター私は、厳かに宣言した。
「じゃあ、おやつにしましょう」
時刻は5時になろうとしていた。
☆☆☆
リュックに入れて持ってきたおやつを私、陽太、風香ちゃんの3人で分け合う。20分ほど休憩したのち、残りのリスニングに取り掛かる。今日中に半分くらいは終わらせたい。
陽太の頭から薄っすらと煙が立ち上り始めた頃、この家の呼び鈴が鳴った。
どうやら、正美伯父さんが到着したらしい。
私達は、陽太のお父さん、高山喬と喬の兄であるところの正美さんが談笑している所に呼ばれた。八知おばさまが申し訳無さそうにこっそり手を合わせている。
まあ、お邪魔させていただいている以上、ご挨拶をしない訳にはいかないですよね。
私が名乗ると、正美伯父さんは立ち上がって目を丸くする。
「おお!!四宮さんのところの奏ちゃんかぁ!見違えたよ!大きくなったなぁ!」
顔がいい色に日焼けしている。デニムっぽい生地のオフホワイトのおしゃれな半袖に、目の覚めるような白色のスラックス、これまた白色のストローハットという、見ようによってはどこぞの人買いのようにも見えるファッションだった。
10年前と少しも変わっていない。