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彼女はボクに発情しない
第27章 組曲:月下の夢 ”叢雲”
ダッシュで奏のもとに行き、抱えあげようとする。
声こそ出していないが、体臭がいつもの発情のときの熟れた果実のようなものに変わっていたし、抱き起こそうとしたボクを見つめる目は妖艶なそれになっていた。かろうじて体を震わせてキスをすることを耐えているが、限界が近いのは明らかだった。
明らかに発情フェーズは3だった。
男子生徒がすれ違って、1分もしてない。
あまりにも、フェーズの進み方が早すぎる。
適当な言い訳をして、奏をその場から引き離す。1秒の猶予もない。早く、人のいないところに連れていかなければ。ボクの身体は冷や水を浴びせられたように汗でびっしょりになる。
早く・・・早く!
いつ、奏が淫らな言葉を発するか
いつ、胸をはだけ、卑猥な自慰を始めてしまうか
怖くて仕方がなかった。
息を荒くし、身体が熱を帯びたようになっている奏の手を引き、ボクらは階段を駆け上がる。屋上近くの踊り場、なんとか人目のない所まで来られられた。
だが、人目がなくなると同時に、ギリギリで理性を保っていた奏のストッパーが完全に機能を失った。
「もう・・・もう・・・我慢・・・できない・・・ダメ・・・陽太、陽太・・・助けて・・・」
声を上げると、ボクにしがみつくように抱きつき、首筋に貪るようにキスを浴びせる。まるでボクの血を吸い尽くそうとする吸血鬼のような感じだ。
両手は忙しくボクの身体を弄ろうとする。これを放置するとあっという間に押し倒されてしまうのは最近の経験上痛いほどわかっていたので、ボクはフッと力を抜いて奏の拘束の力をそらすと、巧みに身体を引き抜く。
そのまま身体を半回転させ、奏の背中に回り込んでいく。
まるで武道家のような身のこなしだと、自分でも思う。ここ最近で編み出した、発情した奏に対抗するための体技だった。
声こそ出していないが、体臭がいつもの発情のときの熟れた果実のようなものに変わっていたし、抱き起こそうとしたボクを見つめる目は妖艶なそれになっていた。かろうじて体を震わせてキスをすることを耐えているが、限界が近いのは明らかだった。
明らかに発情フェーズは3だった。
男子生徒がすれ違って、1分もしてない。
あまりにも、フェーズの進み方が早すぎる。
適当な言い訳をして、奏をその場から引き離す。1秒の猶予もない。早く、人のいないところに連れていかなければ。ボクの身体は冷や水を浴びせられたように汗でびっしょりになる。
早く・・・早く!
いつ、奏が淫らな言葉を発するか
いつ、胸をはだけ、卑猥な自慰を始めてしまうか
怖くて仕方がなかった。
息を荒くし、身体が熱を帯びたようになっている奏の手を引き、ボクらは階段を駆け上がる。屋上近くの踊り場、なんとか人目のない所まで来られられた。
だが、人目がなくなると同時に、ギリギリで理性を保っていた奏のストッパーが完全に機能を失った。
「もう・・・もう・・・我慢・・・できない・・・ダメ・・・陽太、陽太・・・助けて・・・」
声を上げると、ボクにしがみつくように抱きつき、首筋に貪るようにキスを浴びせる。まるでボクの血を吸い尽くそうとする吸血鬼のような感じだ。
両手は忙しくボクの身体を弄ろうとする。これを放置するとあっという間に押し倒されてしまうのは最近の経験上痛いほどわかっていたので、ボクはフッと力を抜いて奏の拘束の力をそらすと、巧みに身体を引き抜く。
そのまま身体を半回転させ、奏の背中に回り込んでいく。
まるで武道家のような身のこなしだと、自分でも思う。ここ最近で編み出した、発情した奏に対抗するための体技だった。