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彼女はボクに発情しない
第28章 組曲:月下の夢 ”朱い月”
☆☆☆
帰り、陽太は用事があると言っていた。
私は渡英の準備もあるので、帰らなくてはいけなかった。多分陽太は私がお兄ちゃんから薬を投与されていることを知ってるのだろう。
普段は心配してくれると思うのだが、今日はなんだからそっけなかった。

かわりに、優子ちゃんが一緒に帰ろうと誘ってくれた。

「奏ちゃん・・・、PIHの治療に行くの?」
「うん」
「良かったね!病気が治ったら・・・」
治ったら、という不自然なところで言葉が切れた。
顔を見ると、優子ちゃんは慌てて首を振った。
「ご・・・ごめん、なんでも、なんでもないんだ・・・」
「うん・・・えっと・・・」

何か、言おうと思ったけど、言葉がうまく出てこなかった。

「あれ?奏ちゃん・・・紙袋は?」
優子ちゃんが言う。
あれ?そう言えば・・・。さっきもらった寄せ書きと記念品が入った紙袋がない。
「教室に、置いてきちゃった・・・」
待ってるから取っておいでよ、と言われたので、私は、慌てて教室に戻った。

階段を二階分上がり、2年B組の教室にたどり着く。この教室に来るのも今日が最後だと思うと、あまりのあっけなさに驚く。

扉に手をかけた時、中から声がした。陽太だ。

「これでやっと、優子ちゃんと付き合えるよ」
ドキン、と心臓が跳ねる。

「え!お前、優子狙いだったの?」
これは・・・長谷川くん?
「四宮さんは?幼馴染で超かわいいじゃん」
霧島くん?

「奏?あー幼馴染で、腐れ縁てやつだよね。でも、やっぱ、優子ちゃんのほうがいいでしょ?名前の通り、優しいし、おっぱい大きいし。それに勉強もちゃ~んと教えてくれるしね。奏よりずっと分かりやすいよ」
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