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第5章 初体験

絵理奈の生活は確実に変わった。

それから、週数回は絵理奈は原島のもとに通い始めた。

ヌードモデルになることを要求し、卑猥な言葉で責めてきた彼。

でも、絵理奈は彼を嫌いになることはなかった。

女性の快感の瞬間を描きたい。

そんな彼の希望は、絵理奈にはとても純粋なものに思えた。

原島の瞳は、青年のように澄んで、光り輝いている。

それは、夫、雄一とは明らかに違っていた。

彼はもう、絵理奈のことを見つめてもくれないのだ。

そのくせ、妻を家庭内に束縛しようとする夫。

そんな彼に、絵理奈は原島の元に通い始めたことを勿論内緒にしている。

夫に対する初めての秘密。

刺激的で、危険な秘密。

あなたが放っておくのなら、私は自分で変わってみせるわ・・・・・・・

いつものスーパー。惣菜売場の中年男性店員に声をかけられる。

「奥さん、最近、いちだんと綺麗になったねえ」

「もうやだ、そんなお世辞言って」

「最近何だか輝いて見えますよ。奥さん、いいことあったんでしょう？」

笑みを浮かべながら、絵理奈はゆっくり歩き去る。

今日の午後は、また原島の家に行くのだ。