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love is over
第7章 父親
翌日、隼人が学校から帰ると父親が出張から帰って来てた。
「ただいま。」
隼人が玄関のドアを開け中に入ると夏生が出迎えた。
「隼人さんお帰りなさい。お父さんが帰ってるわよ。」
父親が居る時は手を握ることもダメと夏生が隼人に約束させてあった。
夕食の時間に成り隼人も台所に入り食卓に就いた。
「お父さんお帰り。」
「指、どうした?」
父親が指に巻かれてあった傷バンを見て彼に聴いた。
「大根を擦ってて傷付けてしまったんだ。」
「お前が大根をおろしたのか?」
「そうだよ…。僕、夏生さんの手伝いをしたんだ。」
「そうか…。隼人、勉強だけじゃなく家の手伝いをすることも大事なんだぞ。そうか…お前が夏生の手伝いをなあ……。」
「ごめんなさい。隼人さんに怪我をさせちゃって…。」
夏生が夫に謝った。
夏生の性じゃないから謝るなよ。そうか、じゃあお前これから家に帰ったらお風呂の掃除をし夏生を手伝え。」
「僕がお風呂を掃除するの?」
「そうだよ。俺は家が農家だったから野良仕事を手伝ってたんだ。お前は夏生にお風呂の掃除を教えてもらって明日から始めろ。
「あなた、お風呂掃除なら私がするから隼人さんには勉強があるから。」
成績が下がってたことを既に父親は夏生から聴いて知ってたが、そのことに付いて父親は隼人を怒らなかった。
「なあ隼人、お前は誰のために勉強してるんだい?」