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背徳は蜜の味
第13章 人妻その十三 ~掃除婦が体を掃除されて~
「行ってきます!」
息子の明が作ってあげた弁当箱を鷲掴むと
だらしない着こなしの制服姿で登校していった。
「ほら、あなたも早くしないと部下の方たちに示しがつかないわよ」
夫の高明は「はいはい、わかりましたよ」と
重い腰を上げる。
商社マンの夫は実に仕事の出来る男で、
サラリーだって同年代の方たちに比べてべらぼうに高い。
お陰で、この新築マンションも一括で購入することが出来た。
入居当時は息子の明がまだ小さかったので、
専業主婦ではあったが、何かとバタバタしていて
全く自分の時間を作る余裕はなかったけれど、
今では、その息子も高校生になり、ほとんど手のかからない年頃になったものだから明美は毎日が退屈で仕方なかった。
そこで、明美は暇つぶしと、実益をかねて
ハウスキーパーのパートをすることにした。
元来、綺麗好きの明美にとって、この仕事は向いていたようで、毎日が充実していた。
『さて、今日の訪問先は…高島さんのお宅ね…』
スケジュール張を眺めながら
そろそろ自分も出かける用意をしなければと
ドレッサーの前に座ってメイクを始めた。
高島さんというお宅は実に裕福で
大学受験を二浪した息子のために勉強部屋と称してハイツの一室を借り受けていた。
そこに住む二浪の息子というのもバイトもせずに
勉強しているんだか遊んでいるのかわからないようなぐうたら息子だった。
子供に部屋を与えて遊ばせてあげるなんて
裕福なお宅だわ…
我が家だってそれなりに裕福だと思うけれど、
高島さんのところを見ると、上には上がいるものだと実感させられた。