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背徳は蜜の味
第3章 人妻その三 ~パートの歓迎会でお持ち帰り~

「ふう~…」

ノートパソコンの家計簿ソフトに入力しながら
主婦である冴島美紀子はため息をついた。

「なんだい、ため息なんかついちゃって」

夫の武司は風呂上がりに冷たい麦茶を飲みながら、妻のため息が気になった。

「家計がね…苦しいの…」

また、お金の話かい
その話は聞きあきたとばかりに夫の武司は苦々しい表情をした。

「だから僕も協力してるだろ?
こうやって風呂上がりにビールを飲みたいところを麦茶で我慢してるんだし」

自分の稼ぎに見合わないマンションを購入したのは重々承知していた。
最初の頃はなんとか家計のやりくりが出来ていたものの、諸々の値上がりで収支のバランスが崩れかけているのは仕方のない事だった。

「小遣いを減らせというは勘弁してくれよ
俺だってたまには会社の後輩に奢ったり、いい顔したいんだからさ」

「あなたに無理をしてもらっているのはわかっているわよ…
ねえあなた、私、お仕事を始めようと思うの」

いつまでも上流ぶって専業主婦などしている場合ではないと思った。

「本当かい?それは助かるなあ…
すまんな、俺の稼ぎが悪くて…」

「ううん、そんなことはないわ
ほら、私たちには子供もいないし
けっこう時間が余っているのよ」

パートタイマーをする程度で
充分家計がまかなえる。
丁度、いつも買い物に行くスーパーでレジ打ちのパートを募集していたので、美紀子はそこで働く事にした。


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