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背徳は蜜の味
第28章 人妻その二十八 ~女上司と部下のエッチ~
郊外へ向かう最終電車は朝のラッシュ並みに超満員だった。
ギュウギュウ詰めの車内では身動きさえままならない。
そんなラッシュの中に庄野亜希子は詰め込まれていた。
車内では深夜残業で疲れきっている人もいれば、
夜遅くまで呑み歩いてグデングデンに酔っぱらっている人もいて、車内はちょっとしたカオス状態だった。
よりによって、その夜は亜希子の周りは泥酔客ばかりだった。
ふぅ~っとため息のような吐息はとんでもなく酒臭くて、下戸の亜希子にとっては地獄のような空間だった。
おまけに電車が揺れる度に
タイトスカートを履いている亜希子の尻を誰ともわからない手が撫で付けてきた。
最初はつり革や手すりを持てないポジションだから、電車が揺れれば体が触れ合う事もあろうかと無視していたが、そのうち電車が揺れなくてもヒップにタッチされていることに気づいた。
『やだわ…痴漢だなんて、最低だわ』
必死になって首を後方に向けると
一人のさえないオヤジが顔を真っ赤にしていた。
『この男ね!』
亜希子は尻を触られて不快だという意思表示で
キッと、その男を睨み付けた。
亜希子の鋭い視線に気づいたオヤジが顔をあげ、
亜希子と目が合ってしまう。
「おねえちゃん、なんか文句あるのかい?」
しゃべるととんでもなく酒臭い息が亜希子のうなじに浴びせられた。
「やめて下さい!」
小さな声だけど、なるべく凛とした声で亜希子はオヤジを非難した。
「何をやめるって言うんだい?」
オヤジは酒に酔ってむしゃくしゃしていたのか、
手を亜希子の肩に掛けてきた。
その間もなお、ヒップにモゾモゾとした感触が続いた。
酔っぱらいのオヤジの両手は亜希子の双方の肩に掛けられている。
と言うことは…痴漢はこのオヤジではないということだ。
「すいません、勘違いです謝ります」
亜希子は素直に非を認めた。
なのにオヤジはさらに亜希子に顔を近づけて
「なんで謝るんだ?なんか文句あるのかよぉ」と
舌を伸ばせば亜希子のうなじを舐めることが出来るほどに顔を寄せてくる。
こんなオヤジの相手なんかしていられないわと
降車駅ではないけれど、電車がホームに止まるとドアが開くのと同時に外に飛び出した。