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背徳は蜜の味
第31章 人妻その三十一 ~会社の後輩と肉体関係~
いつもと比べて社内の窓から見下ろす街の灯りがやけに煌めき始めた。
『そう言えばクリスマスなんだわ』
いつもの白い街灯だけでなく、
赤色や青色のイルミネーションが年末が近いことを教えてくれる。
「いけない!見とれている場合じゃないわ!」
ハッと我に返ると、林原香代は窓際から離れて自分のデスクに腰を降ろした。
パソコンを起動させて出納帳のソフトを立ち上げる。
まったく!どこの誰よ!
入力間違いをしたのは!
パソコンの入力データーと紙の領収書の金額を照らし合わせて行く。
香代が進んで残業すべき仕事ではないのだけど、
年が開ければ退職することに決めているので、
それまではお世話になったこの商社のために少しでも仕事をこなしてあげたかった。
「あれえ?林原さん、まだ残っていたんですか?」
帰り支度をしてアウターを着こんだ二年後輩の佐藤くんがパソコンデーターと格闘している香代を見つけて驚いて声をあげた。
「ああ、佐藤くん、お疲れ様でした。
気をつけて帰ってね」
香代はパソコンのモニターとにらめっこしながら
振り向きもせずに背後にいるであろう佐藤くんにバイバイと手を振った。
しかし、ドアを開けて出て行く気配がしない。
その代わりにドサッと隣のデスクに腰を降ろす佐藤くんがいた。
「帰らないの?」
「帰れるわけないじゃないですか、林原さんが頑張っているんだから微力ながらお手伝いしますよ」
せっかく着こんだアウターを脱いで椅子の背もたれにひっかけると「データー、半分ください」とパソコンを起動させながら手を伸ばしてきた。
「そんな…いいのよ
私はほら、ここを辞める前にスッキリさせていきたいだけだから」
「人の好意は甘えて受けるもんですよ」
そう言って無理やりデーターを香代の手から奪い去った。