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背徳は蜜の味
第9章 人妻その九 ~映画館で痴漢されて~
「あなた!知っていた?
二人で観に行こうって言っていた例の映画が、明日で打ち切りですって!」
村井久仁子はスマホで最新ニュースをチェックしていて、夫と一緒に映画館に脚を運んで見る予定にしていた話題作が明日が最終日だと知った。
「ああ、例の主演の男女が実際に本番していると言われていた映画だろ?
出足は好調だったけど、途中で主演の二人が会見を開いて本番なんてしていないと発表してから、急に不人気になったもんなぁ…
ばかだよな、最後の最後までお茶を濁すか、実際にセックスしてますって言っておけば興業収入ベストテンに入ったかもしれないのにさ。
まあ、その映画とは俺たちは縁がなかったんだと諦めろよ
そのうち、ネット配信されるからテレビで一緒に見たらいいじゃないか」
夫は呑気にそんなことを言うけれど
映画館の大スクリーンで見るから感激できるのであって、濡れ場だけを楽しみにしているのならテレビでAVを見るのと変わりない。
久仁子はいてもたってもおられなくなった。
「ねえ、あなた、
明日は二人で有給を利用して映画館に行きましょうよ」
「バカ言え、今がどれ程忙しいのか口を酸っぱくしてお前に言っていたろ?
急に有給なんて取得できるわけないじゃないか」
映画ごときで休むなんてバカげていると
夫はまったく乗り気ではなかった。
『いいわ、こうなったら私一人でも仕事を休んで絶対に観に行くわ!!』
そのように心に決めると
一人で映画を観るなんて何年ぶりだろうと
久仁子は別の意味でワクワクし始めていた。