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ココロのアナ
第4章 ココロの隙間



それから何日かして
新人教育も最後の日。

旭の配属先が決まり
デスクの荷物を整理しだした…


あの日から今日まで
あの日の事は何も言って来ない。
前までの愛嬌ある
人懐こい可愛い後輩を《演じて》いた。


「お世話になりました。
明日からは違う課ですが
今後もよろしくお願いしますね。」



旭の課は5階で俺の課は7階。
めったに合う事もなければ
話す機会など全くない…
今後なんてまずありえないのだ。


「あぁ…」



少し突き放し気味に発する。



「では失礼します」



旭は配属先に行く為
荷物を抱えて出て行った。



この時俺はなぜ…
旭を引き止めようと
声を掛けてしまったのか。



「お、おい…旭…」


部屋を飛び出すと
壁にもたれかかって
不敵に笑う旭がいた…

俺が来るのを分かっていたようにして。


「っ…」


「くると思ってましたよ」




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