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12歳年下の旦那さんとの甘い生活
第23章 ちょっとした寄り道
『折角ですし、座りますか?
伊和都比売神社を参拝して
このベンチに座ったら
ご利益ありそうな感じがしますし』
そう言ってそのベンチ待ちの列に
並んで順番を待って、ベンチに座った。
遊歩道の途中には
崖のギリギリに行ける
柵が途切れている場所があって。
観光客のグループが…
危なそうな方まで…行ってたんだけど。
見てる方が落ち着かない光景だな
って思いながら。通り過ぎた。
大名名残の松と書かれた石碑と
その後ろに松の木が見えていて。
大石内蔵助が討ち入りに行く時に
この松の木を見返りながら
名残を惜しんだと言う…松なのだそう。
そこからすぐ近い場所に
きらきら坂と呼ばれる坂があって。
岡山の牛窓が日本のエーゲ海なら、
このきらきら坂のある辺りは
日本のナポリと呼ばれていて。
石畳になった坂道に、
タイルが埋め込まれた階段が
まるでナポリみたいだと、
映えるスポットとして人気の場所。
その映える階段を
昇っている途中を
彼がスマホで撮影してくれて。
白い壁の建物とその坂道の光景が
秋晴れの青空に映える1枚が撮れて。
妹にLINEで送って置いた。
お洒落なカフェとか
本格的なナポリピザや
イタリアンジェラートが
食べられるお店とかもあって。
きらきら坂にあるお店で
御崎ガラス舎が気になって
お店の中に足を踏み入れた。
ここでは、ステンドグラスや
ガラスモザイク、キルンワークや
バーナーワークなどの体験。
オカモトヨシコさんの作った
ガラスのアクセサリーなんかを
購入する事ができるショップになっている。
お皿とかグラスとか花瓶とか
色々ガラスの作品があったんだけど
目に留まったのはピアスで。
ガラス製だからずしッと
手に取ると重みはあるんだけど。
『何か…気になるの…ありましたか?』
「うん…ピアス可愛いなって
思って…見てたんだけど…」
それからしばらくどれにするか
並んでいるピアスの前で悩んで。
1つに…なんとか絞ったんだけど。
ちらちらと1つを手に持ちながら
自分が持っているピアスと
同じデザインの色違いを
見て、自分の手のピアスと見比べる。
『もしかして、妹さんにですか?』