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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第4章 美しき桃源郷
「騒ぎを起こしたからって玄武様が構うのはおかしいです!!」

鶯は玄武の着物の袖を掴みながら叫んだ。

さっきまで顔を青くしていた舞鶴がまた、鶯を睨みつけた。






(それはあんたでしょう!!)

玄武が居なかったら、舞鶴は間違いなくそう叫んでいたはずだ。







「……………。」

胡蝶は何も言わずに玄武と鶯のやり取りを見ていた。

三文芝居を見せられている様で、怒りは何処かに飛んでいってしまった。







「……そうだよ…騒ぎを起こしたからって俺たちが構うのはおかしいよね。」

玄武が鶯の顔を見てそう言うと、彼女は顔を赤くして目を見開いた。

「しかもこんな風に水を掛けられるなんて、そんな事許されないよ。」







「…………………。」

舞鶴は玄武が鶯を諭す様に言っている言葉に驚愕をした。

彼女が知っている玄武は、こんな風に女の子を皆んなの前で咎める事なんて今までしてこなかったからだ。






胡蝶はその玄武のやり取りを見て、やっと固唾が下がったのか、腕を組んでため息を吐いた。

「風邪を引いたら大変だから、早くおいで。」

「………………。」






再び自分に向けて差し出されている手を見た後に、胡蝶は鶯の顔を見た。

その顔は怒りを抑えきれずに震えて、目を見開きながら胡蝶を睨んでいた。






胡蝶は瞬間ハッと笑った。

その鶯の顔が愉快でしょうがなかったからだ。

だからあえて、差し出されてた玄武の手を掴んだ。






「ありがとうございます。玄武様。」

そうニッコリ笑って言った胡蝶に、玄武もまた目を伏せて笑った。






そうして2人が下の者の屋敷から出て行くのを、その場に居た人間は驚きながら見送った。

1人肩を震わせながら、拳を握りしめているのは鶯だった。




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