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年の離れた妹
第4章 兄妹
「お風呂、沸いてるよ」
僕が食器を片づけようとすると、妹はそれを制して風呂を勧めていた。僕は妹の言うとおり、風呂に入ることにした。恵津子はかいがいしく、僕の世話を焼いていた。

「兄ちゃん、着替え置いとくね」
僕はいつものTシャツ、ジャージのつもりでいたが、妹はわざわざパジャマを用意していた。僕は風呂の中から、妹にどうしてこんなに世話を焼いてくれるのか、理由を訊ねた。

「恵津子、嬉しかったから!」
「何が嬉しかったの?」
「兄ちゃんが…恵津子のこと、大事に思ってくれてるから!」
妹は恥ずかしそうに言うと、台所に戻って行った。僕は心の底から、妹を愛しく感じていた。

僕が風呂から上がると、恵津子は食事の後片付けを続けていた。僕は妹を手伝うと、洗った食器を拭いた。そして全ての片づけが終わると、恵津子も風呂に入った。僕は妹が風呂に入っている間、いつも帰省中に使う和室を覗いた。そこにはいつものように、布団が一組用意されていた。僕はそれを見ると、少しほっとしていた。僕たちは一線を越えてはいたが、あくまで兄妹だった。まして実家で間違いがあってはいけないと、僕は思っていた。その時、同じ屋根の下で妹は裸で入浴していた。その妹の身体を、僕は隅々まで知っている。僕の中で葛藤が続いていた。
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