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ザ・レイプ 犯された婦人警官
第1章 レイプされた婦人警官

しかし午後のパトロールの時、状況は一変する。
「河口駅前商店街で不良グループ同士の乱闘発生。応援要請。小林巡査は、直ちに急行せよ」
無線が鳴った時、小林は一瞬、智子の顔を見た。
「1人になるが、河口神社の中をパトロールすれば、もう交番だ。伊藤さんなら、大丈夫」
小林の言葉に、智子は頷いた。
「私、1人でも大丈夫です」
「無理はするなよ。何かあったら、偏見なんか気にしないで応援要請だ。いいな」
そう言い残して、小林は駅前に向かった。見送る智子の背後で、サイレンの音が響く。
夏の夕暮れ時、古い杉木立に囲まれた河口神社は、不思議なほどの静けさに包まれていた...
朱塗りの鳥居に落ちる夕陽が、境内に血のような影を落としている。
その中を智子は、制服の襟元を無意識に掻き合わせながら歩いていた。今朝、男性警官たちに向けられた視線の重みが、まだ肌に残っているような気がする。
警戒しながら周囲を見渡す目は、確かに警察官としての職務に忠実だった。しかし、その瞳の奥には、女性であるという宿命的な不安が潜んでいる。いつ危険が襲って来るかも知れないという緊張の中で、鳥居と木漏れ日が織りなす影絵のような光景を見て、身体の強張りが少しだけ綻ぶのを智子は感じた。それは束の間の安らぎでしかなかった。
鳥居を通って参道を歩き本殿から裏へ向かうと、かすかに煙草の匂いが漂ってきた。普段なら遊具場から子供たちの歓声が聞こえてくる時間帯だ。しかし今、境内には不自然な沈黙だけが満ちている。暑さが和らいでいるにもかかわらず、人気のない静寂に、智子は直感的な危険を感じていた。
剥がれ落ちた壁の痕が不気味な影を落とす公衆トイレの前に、三人の少年が立っていた。白い体操着の胸の校章─河口市立美並中学校。二人は平凡な体格だが、一人は異様に発達した体躯をしている。その少年が、大人びた仕草で煙草を咥える。
見覚えのある顔。鈴木完也。中学二年生。十三歳。その年齢からは想像もつかない冷たい目つき。婦人警官への痴漢、盗撮を繰り返し、何度も補導された少年。しかし、その度に示された反省の態度は、まるで演技のようだった。
「河口駅前商店街で不良グループ同士の乱闘発生。応援要請。小林巡査は、直ちに急行せよ」
無線が鳴った時、小林は一瞬、智子の顔を見た。
「1人になるが、河口神社の中をパトロールすれば、もう交番だ。伊藤さんなら、大丈夫」
小林の言葉に、智子は頷いた。
「私、1人でも大丈夫です」
「無理はするなよ。何かあったら、偏見なんか気にしないで応援要請だ。いいな」
そう言い残して、小林は駅前に向かった。見送る智子の背後で、サイレンの音が響く。
夏の夕暮れ時、古い杉木立に囲まれた河口神社は、不思議なほどの静けさに包まれていた...
朱塗りの鳥居に落ちる夕陽が、境内に血のような影を落としている。
その中を智子は、制服の襟元を無意識に掻き合わせながら歩いていた。今朝、男性警官たちに向けられた視線の重みが、まだ肌に残っているような気がする。
警戒しながら周囲を見渡す目は、確かに警察官としての職務に忠実だった。しかし、その瞳の奥には、女性であるという宿命的な不安が潜んでいる。いつ危険が襲って来るかも知れないという緊張の中で、鳥居と木漏れ日が織りなす影絵のような光景を見て、身体の強張りが少しだけ綻ぶのを智子は感じた。それは束の間の安らぎでしかなかった。
鳥居を通って参道を歩き本殿から裏へ向かうと、かすかに煙草の匂いが漂ってきた。普段なら遊具場から子供たちの歓声が聞こえてくる時間帯だ。しかし今、境内には不自然な沈黙だけが満ちている。暑さが和らいでいるにもかかわらず、人気のない静寂に、智子は直感的な危険を感じていた。
剥がれ落ちた壁の痕が不気味な影を落とす公衆トイレの前に、三人の少年が立っていた。白い体操着の胸の校章─河口市立美並中学校。二人は平凡な体格だが、一人は異様に発達した体躯をしている。その少年が、大人びた仕草で煙草を咥える。
見覚えのある顔。鈴木完也。中学二年生。十三歳。その年齢からは想像もつかない冷たい目つき。婦人警官への痴漢、盗撮を繰り返し、何度も補導された少年。しかし、その度に示された反省の態度は、まるで演技のようだった。

