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ザ・レイプ 犯された婦人警官
第1章 レイプされた婦人警官
「嫌だッ。嫌ッ!。離しなさいッ!」

 叫び声は、コンクリートの壁に吸収されていく。膝から床に倒される衝撃で、警察手帳が制服のポケットから滑り出る。警察官の証が、汚物の染みついた床の上で無残な輝きを放っている。

 蛙のように這って逃げようとする智子の姿が、もう一つの投光器に照らし出される。制服のスカートが捲れ上がり、白い肌が異臭漂う空気に晒される。2人の少年の構えるスマートフォンのカメラが、婦人警官の尊厳が踏みにじられる瞬間を記録し始めていた。

「ちゃんと撮れてるか?」

「バッチリだよ。これで、あの態度の良い伊藤婦警の本性が晒されるんだ」

「早く、その女を犯っちまって、制服着て威張ってるだけの女の末路を教えてやれよ」

 少年たちの言葉が、智子の存在そのものを切り刻んでいく。「レイプ」という二文字が、彼女の意識の中で禍々しく膨れ上がる。それは単なる性暴力ではない─警察官という権力者への復讐、女性蔑視、歪んだ支配欲。すべてが、この瞬間に収斂していく。

「嫌ああ…ッ!。やめてええッ」

 智子の叫びには、もう警察官としての威厳は残っていない。完也の冷たい目が、彼女を見下ろす。

「声を出すな! 。殺すぞ!」

 完也の声は、年齢不相応に低く響く。それは被害者である智子よりも、加害者である自分自身を鼓舞するような声だった。

 智子は壁際まで追い詰められ、トカゲのように這い上がろうとする。最後の抵抗として、制服のポケットの防犯スプレーブに手を伸ばす。しかし、その手首を完也の極端に発達した腕力が捉える。

 黒い影が蠢く壁に押しつけられる背中。虫が潰れる感触が、智子の心をも押しつぶしていく。

「いや...ッ。誰か助…」

 言葉の途中で、粗い指が唇を塞ぐ。智子の身体が硬直する。警察学校で習得した護身術、合気道の技、そして警察官としての誇り─すべてが、この瞬間に無力化されていく。

 智子の脳裏に、合気道の師範の言葉が虚しく響く。

「どんな状況でも、冷静さを失わずに相手の力を利用して─」

 しかし、その言葉は現実の前に崩れ落ちる。警察官の制服も、その下にある女性の尊厳も、人間としての基本的権利も、すべてが意味を失っていく。智子の意識は、自己防衛本能によってFreezeし、物理的抵抗力を失う。

 智子の意識の中で、時間が歪んでいく。
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