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イけない王子様と魔女
第3章 3
うーん。呪い解呪が三回、結界が一回、だとこれくらいかな…。あ、口止め料も頂くとして...。
「はい、これお釣りなので持って帰ってください。」
「これがお釣り!?ほとんど減ってないよね?」
「仕事分しか頂きません。それにこれでも頂いたお金は結構な大金ですよ?」
なんだか難しい顔をしている王子。
「...朝ごはんでも食べます?」
「食べる...」
固い黒パンにベリーのジャム。紅茶。
「これ、結構長持ちするし保存食にも最高なんだよね~。」
王子は沈黙...。
「なんだかさっきからやけに静かですね」
「俺さぁ~...実は王子辞めてきちゃったんだよね」
「王子を辞めるとか、出来るんですね。知りませんでした。勉強になります。」
「魔女さんは本っ当に俺に興味がないよね!?」
「そうでもないと思いますけど?」
「思いますけどぉ!?......俺ってすっごくかっこいいし、女性からモテモテなんだけどなぁ...。」
「飲み屋のオッサンの独り言みたいですが大丈夫ですか?」
二枚のお皿に二本のスプーンをちゃちゃっと洗って、荷解き、洗濯、庭の薬草のお手入れ。魔法で出来ることは魔法で、自分ですることは自分で。
♪お金は身の丈、草の丈。たくさんあってもつまらない。お日様お日様月の影。花のポプリに恋の薬♪
でたらめな鼻歌を歌っていると、精霊たちが寄ってきて楽しげにまとわりつく。
......その姿を遠くから腕を組んで見つめていた俺は我に返って頬を両手で叩く。どうしても姿を目で追ってしまう。
書棚から勝手に本を取り出してみると...「監獄 欲望の檻の中でちんぽは蜜壷に沈む」「ショタに負けちゃう♡あまあまドエロッチ」「声でイかせて...よわよわまんこを言葉責め大会♡」
「.........。」
俺はとりあえず片っ端から読んでみることにした。
「うわっ!元王子、鼻血出てますけど!?」
慌てて拭き拭きされた。
「うわー!!何読んでんですか!エッチ!」真っ赤になって本を取り返す。
......とんでもない内容だった。コイツはこういうのが好きなんだな。
自分の喉に手を当て、魔力を流す。