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心の中のガラスは砕けて散った
第9章 8月
真夏の日差しが背中を、薄っすらと汗が
浴室での告白の後、遥の表情に少しの
柔らかさが浮かび、昼食の後、
車は街のコインパーキングへ

前を歩く遥の背中を追う、遥が立ち止まり
古びたビルの階段に入って行った 
綾乃も付いて階段を昇って行く途中 
上から声が

「 お疲れ様~♪ 」

声に送られ、主婦達がスポーツバックを抱え
降りて来るとのすれ違い、遥は3階の鉄扉を
開けて中へ、綾乃も中へ入り、後ろで鉄の扉の
締まる大きな音が、綾乃は思わず首を竦め
部屋の中を見回した、

壁一面の鏡が部屋を広く見せ、部屋の隅に 
トレーニングベンチが置かれ、その横に
楕円の長い枕と、大きなボールが転がされ
奥の扉が開き、髭面の筋肉質、ゴリラ顔の男が
オレンジのレオタードを着て二人の前に、
歩み寄って来た

「 あら! 遥ちゃんお久~♪ 」

髭面の男が綾乃に視線を送り

「 あら、この美人さん 」

遥に視線を送り 遥が頷く顔を見て頷き

「 さあ、二人共上がって~♪ 」

遥が下駄箱に靴を入れ、部屋の中に
綾乃も遥の後ろを付き、部屋の中央に
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