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第9章 ８月

テントの前で　揺らめき消える蝋燭の明かりを
見つめる、何人かの人達の目に浮かぶ涙を
康二は見た

「　どうです！？　」

松村が消える蝋燭を見つめていた、山鹿に声を掛け
少し涙を浮かべた山鹿は、顔を横に向け

「　悪くないな・・・　」

しわがれた声で答えた

＊＊

自宅に帰り、康二は汗ばんだ体を
シャワーで流し、綾乃が差し出したビールを
グラスに受け、一息に　汗ばんだ体を冷えた
ビールが駆け抜け、ホッと息を吐いた

「　明日・・・　」
　
綾乃が大きな目で、頷き

「　ご苦労様、お風呂入って来るね　」

立ち上がり、浴室に消え　康二は手元の
ビールを飲み干し、寝室に入り明かりを落とした
浴室の扉の開く音の後、寝室の扉が静かに開き
隣の布団に衣擦れの音が、康二は体を起こし
綾乃の傍に、

「　ゴメンナサイ・・　アレに・・・　」

康二の手に綾乃の手が重なり、康二は
手を戻し、自分の布団に体を入れた