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心の中のガラスは砕けて散った
第9章 8月
「 この女性 今、何を思って居ると!? 」

「 ・・・・・・・・・嬉しい・・ですか? 」

沢入が小さく頷き

「 嬉しいも有るだろう、その後ろに ご主人を
  裏切る、背徳感、この後彼とのデートで
  訪れる、背徳の営み、不安と期待が 彼女の
  目の中を駆け巡っているだろう!! 良く見て!! 」

沢入はビデオを巻き戻し再生する、夫人が綾乃に笑顔を見せ

・・・何を映しているの?・・・
・・・二人の記念 ・・・・
・・・ヤダーーー ・・・・

僅か5秒ほどの間に、夫人の目の中の光が動きが
目まぐるしく変わって行くのを、綾乃は夫人の目を
注視して感じ取って行く

「 判るかな!!? 」

沢入が覗き込み、綾乃は頷いた

「 では!! 旦那さんとデートした時を思い出そうか!! 」

綾乃は椅子に座り直し、頭の中でイメージを作り上げ
待ち合わせて、康二の姿を見つけた時の事を思い浮かべ
沢入に視線を送った

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

沢入は黙ったまま 綾乃を見つめて来る
綾乃は何度も目を伏せ、思い浮かべる昔の姿
康二を目にした時を思い浮かべた目で何度も
沢入に視線を送った

「 少し休憩 」
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