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心の中のガラスは砕けて散った
第1章 プロローグ
裕子の服の裾を掴んでいた蓮が康二をの手に有るお年玉袋を見て
駆け寄って来て 手を出して来た

「 蓮!! おめでとう 」

「 明けましておめでとうございます 」
小さく頭を下げて お年玉袋を受け取るとまた 裕子の傍に

「 明けまして おめでとう 」
太い声の挨拶が聞こえ 大柄な雄二が部屋へ入って来て
父親の横に座り 裕子と蓮がその横に座った時
綾乃が大きなお盆に料理を抱え テーブルに並べ始め

「 貴方 お願い 」

蓮を雄二に預け 裕子は綾乃と台所に消えた
リビングに料理が並び 恒例の正月が始まる
男達の酒盛りが始まり 綾乃も出された酒に
口を付け 頬が少し色付いていた
余り飲めない康二は 父親と弟に酒を進め
裕子は雄二と一緒に酒を酌み交わしていた
母親が細目に台所に立ち 綾乃もその手伝いをして
子供達が遊び疲れ 部屋の隅で横に成った姿を見て

「 子供達 お風呂に入れなくちゃ 」
綾乃が立ち上がり 子供を連れて 浴室へ向かった

「 義姉さん 蓮もオネガイ 」
裕子が蓮の背中を押し 蓮はイヤイヤと顔を振って裕子の服を掴んだ

「 裕子さんも一緒に入ろう 」
綾乃がリビングの扉から顔を覗かせ裕子を誘った

「 蓮 お兄ちゃんとママと入る? 」
小さな蓮が頷き 4人がリビングから消えて一度に
部屋の中が静かに

「 兄貴 仕事は? 」

「 6日からだよ 雄二は 」

「 俺も 父さんは 休みだね 」
父親がお猪口を雄二に差し出し頷いた

「 毎日が日曜日・・・・ 」
お猪口を干し 寂しさを含めた言葉が出る

「 頑張ったんだから 休めよ 」
小さな工場で 定年まで勤めあげ その後3年属宅で
勤め上げ 今は自宅での隠居生活に入っている
退職して直ぐは 夫婦で何度かの旅行をしていたが
最近は 自宅に籠って テレビと散歩を
日課と笑って話した
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