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ユイとルイ
第2章 結衣子
瑠依も同じように小学校を卒業し、中学生になります。しかし卒業式は向こうの都合で呼ばれていません。私が結衣子の卒業式に出たように、瑠依にも新しいお父さんができたのかもと思っていました。それは仕方がないことであり、私は陰ながら瑠依の卒業を祝っていました。
昼過ぎにレンタカーの手続きが終わり、ホテルに向けて走り始めました。小型のレンタカーの助手席に結衣子が座っています。部活を終えて伸ばし始めた髪をゴムで括り、大人びた表情でガイドブックを読む結衣子の横顔は妻とそっくりでした。そしていつの間にか妻の身長を越えた結衣子は、少女と女性の間を行き来するようになりました。
「お昼ご飯、どうする?」
「お父さんはお腹減った?」
結衣子とふたりだけで出かけることなど、中学生になってからほとんどありません。思春期になった娘は父を避けると世間で言われます。まして私は継父ですから、結衣子に避けられることは覚悟していました。しかし結衣子は、私より実母に対し反発することが多くなりました。私には小学生のころと変わりない、父に甘える素直な娘でありました。逆に私の方が結衣子に対し、少しギクシャクすることがありました。
初めて出会った10歳のころ、結衣子は背の高いやせっぽちで、日に焼けた真っ黒な女の子でした。地域のサッカーチームに入り、男の子に混じってレギュラーで頑張っていました。そして私と仲良くなったのはサッカーのおかげでした。ボールを蹴って遊んだり、ふたりでワールドカップの予選をテレビで観たり、ときには地元のJリーグの観戦も行きました。男の子のようにさっぱりして、取っ組み合いで力比べをすることもありました。
昼過ぎにレンタカーの手続きが終わり、ホテルに向けて走り始めました。小型のレンタカーの助手席に結衣子が座っています。部活を終えて伸ばし始めた髪をゴムで括り、大人びた表情でガイドブックを読む結衣子の横顔は妻とそっくりでした。そしていつの間にか妻の身長を越えた結衣子は、少女と女性の間を行き来するようになりました。
「お昼ご飯、どうする?」
「お父さんはお腹減った?」
結衣子とふたりだけで出かけることなど、中学生になってからほとんどありません。思春期になった娘は父を避けると世間で言われます。まして私は継父ですから、結衣子に避けられることは覚悟していました。しかし結衣子は、私より実母に対し反発することが多くなりました。私には小学生のころと変わりない、父に甘える素直な娘でありました。逆に私の方が結衣子に対し、少しギクシャクすることがありました。
初めて出会った10歳のころ、結衣子は背の高いやせっぽちで、日に焼けた真っ黒な女の子でした。地域のサッカーチームに入り、男の子に混じってレギュラーで頑張っていました。そして私と仲良くなったのはサッカーのおかげでした。ボールを蹴って遊んだり、ふたりでワールドカップの予選をテレビで観たり、ときには地元のJリーグの観戦も行きました。男の子のようにさっぱりして、取っ組み合いで力比べをすることもありました。