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コンビニバイトの男の子
第6章 一夜
はっきりとした悦びの声に混じって、ぐちょぐちょと湿った音も聞こえ始めた。妻の昂ぶる音を耳にして、貴之がモニターにぐっと近付く。
『悠希くんっ!逝っちゃいそうっ!』
その声に、腰の動きが更に速くなった。悠希が萩子を絶頂に導こうとしているのを察知する。かつての映像は全て遠くからだったので、初めて間近で見ることになる絶頂を余すことなく、目だけでなく耳でも感じたいと思った。
(やっと、シュウの逝くところが大画面で!)
貴之は、万が一を考えて外の音が聞こえるように片耳だけにしていたイヤホンを両耳に嵌めた。途端に圧倒的な臨場感が耳から脳全体に広がる。
それまで顔を顰めて喘いでいた萩子の表情が、無表情に変わった。全ての感覚が絶頂を味わうために集中し、表情筋が弛緩した。その中で口だけが動き、悠希に絶頂を伝える。
『ああ・・・、逝くっ・・・』
(シュウの逝き方が今までと違う?)
それまでの絶叫するような宣言とは違い、低く、呟きにも思える声だ。その一方で躰はびくびくと痙攣し始めた。絶頂による痺れが、躰中の隅々まで広がっていることが明白だった。
悠希は更に抽送を続ける。
『逝く・・・。また逝く・・・』
萩子も、2度、3度と絶頂を呟いた。
(凄い・・・。立て続けに何度も・・・)
それでも悠希は動きを止めない。
萩子が声を発しなくなった。がっくりという感じに顔を伏せる。ぱんぱんと肉を打つ音だけが続き、頭が近づいたり遠ざかったりを繰り返す。
肩の部分が小刻みに震えだしたかと思うと、突然、萩子が頭を上げた。
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