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コンビニバイトの男の子
第8章 密談

【1】
貴之が、萩子と悠希の2日間に渡る性行為の隠し撮り映像を観た、その次の週末である。仕事を定時で切り上げた貴之は、会社を出ると最寄りの駅ではなく、近くの商業ビルの最上階にあるレストランに向かった。味も良いが、人に聞かれたくない話をするのに個室が充実していて、取引先との懇親によく利用するイタリア料理のお店である。予約していた個室に入ると、約束の時間前だったが相手は既に来ていた。
「やあ。待たせて悪いね。だいぶ待ったかな?」
「こっ、こんばんは。僕もさっき来たところです」
悠希は、礼儀正しく席を立ってお辞儀をする。コンビニでの応対の時とは違い、緊張しているのが伝わってきた。
「突然のアポで、すまなかった」
「いえ、大丈夫です・・・」
「早く話をしたくてね。ほんとは先週末会いたかったんだけどね」
「はあ・・・、すみません」
貴之は、明け方までかけて隠し撮り映像を見終わったその日、わざわざバイト中の悠希に連絡を取り、お互いの予定を調整して今晩会う約束を取り付けていた。貴之は悠希の正面に座ると、悠希にも座るように手で合図する。どことなく落ち着かない様子で座る悠希の顔を、しばらく見つめた。
(あまり意地悪するのも、かわいそうだな)
少し笑うと、悠希に話し掛けた。
「鮎川君、先週のことだけど」
「・・・はい」
悠希が姿勢を正す。
「いい映像が撮れていたよ」
「ほんとですか?」
「ああ。今までよりも、全体的にかなり見やすくなっていた。ヘッドボードからの映像は、特に良かったな」
「そうですか。途中で電気を点けるのは不自然かなと思って、明け方の時に上手く映るようにしたんですけど、よかったです」
急な呼び出しに、何を言われるか不安を感じていた悠希は、ほっとしてようやく少し緊張を解いた。
今回、悠希から事前に隠しカメラの位置を確認したいと言われ、萩子が料理教室に行っている間に訪問してもらい、MSTシステムでカメラ画像を見てもらっていた。その効果で、悠希が映りに配慮して位置や向きを調節したため、以前よりも2人の行為がよく見えた。より近くで見えるように、ベッドのヘッドボードに隠しカメラを置くことを提案したのも悠希である。
貴之が、萩子と悠希の2日間に渡る性行為の隠し撮り映像を観た、その次の週末である。仕事を定時で切り上げた貴之は、会社を出ると最寄りの駅ではなく、近くの商業ビルの最上階にあるレストランに向かった。味も良いが、人に聞かれたくない話をするのに個室が充実していて、取引先との懇親によく利用するイタリア料理のお店である。予約していた個室に入ると、約束の時間前だったが相手は既に来ていた。
「やあ。待たせて悪いね。だいぶ待ったかな?」
「こっ、こんばんは。僕もさっき来たところです」
悠希は、礼儀正しく席を立ってお辞儀をする。コンビニでの応対の時とは違い、緊張しているのが伝わってきた。
「突然のアポで、すまなかった」
「いえ、大丈夫です・・・」
「早く話をしたくてね。ほんとは先週末会いたかったんだけどね」
「はあ・・・、すみません」
貴之は、明け方までかけて隠し撮り映像を見終わったその日、わざわざバイト中の悠希に連絡を取り、お互いの予定を調整して今晩会う約束を取り付けていた。貴之は悠希の正面に座ると、悠希にも座るように手で合図する。どことなく落ち着かない様子で座る悠希の顔を、しばらく見つめた。
(あまり意地悪するのも、かわいそうだな)
少し笑うと、悠希に話し掛けた。
「鮎川君、先週のことだけど」
「・・・はい」
悠希が姿勢を正す。
「いい映像が撮れていたよ」
「ほんとですか?」
「ああ。今までよりも、全体的にかなり見やすくなっていた。ヘッドボードからの映像は、特に良かったな」
「そうですか。途中で電気を点けるのは不自然かなと思って、明け方の時に上手く映るようにしたんですけど、よかったです」
急な呼び出しに、何を言われるか不安を感じていた悠希は、ほっとしてようやく少し緊張を解いた。
今回、悠希から事前に隠しカメラの位置を確認したいと言われ、萩子が料理教室に行っている間に訪問してもらい、MSTシステムでカメラ画像を見てもらっていた。その効果で、悠希が映りに配慮して位置や向きを調節したため、以前よりも2人の行為がよく見えた。より近くで見えるように、ベッドのヘッドボードに隠しカメラを置くことを提案したのも悠希である。

