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コンビニバイトの男の子
第8章 密談
しばらく時間が空いた後、悠希からメッセージが来ました。
《ハルミ:また家に行ってもいいですか?》
萩子の手が止まります。
(家に来るってことは、つまり・・・するってことよね。理由はどうしよう・・・)
悠希との不倫行為を正当化するため、萩子は毎回理由をつけていました。頼まれたから、確かめてあげるため、慰めてあげたい、お祝いで。先日のことも、ひとりで一夜を過ごす不安から来てもらうことへのお礼、という理由にしていました。
(でも・・・)
実際は、悠希とセックスするための言い訳にすぎないことはもう判っています。先日は約束と違って朝から家に訪れた悠希を迎え入れ、2日間に渡り何度もセックスをして、心ゆくまで性の快楽を堪能したのでした。本当の理由は、ひとつしかありません。無理に理由を考えることが、何だか莫迦らしくなりました。再度貴之を見ます。
(こじつけの理由、もういらないか・・・)
視線をスマートフォンに戻すと、入力欄に短い言葉を書き込みます。
《萩子:うん|》
点滅しているカーソルをしばらく見つめ、やがてゆっくりと送信ボタンを押しました。
(送っちゃった・・・)
すーっと肩の荷が下りた感じがして、もやもやしていた気持ちがすっきりしました。
すぐに悠希から返信が来ます。
《ハルミ:ありがとうございます でも、すみません、行けるのは多分7月後半か8月ぐらいになりそうです これからサークルとか試験とか色々忙しくなって》
(次、結構先になるのね・・・)
もっとすぐかと思っていた萩子は少しがっかりしましたが、悠希に予定があれば仕方なく、明るく返信します。
《萩子:そうなのね》
《萩子:また食事作ってあげるから》
《萩子:何が食べたいか近くになったら連絡して》
《ハルミ:わかりました》
そこで萩子は、あることに気が付きました。
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