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コンビニバイトの男の子
第9章 雨

「そうだ。カレンちゃん、松友くん達と同じ大学の後輩で海外からの留学生なのよ」
「留学生なんですか。日本語上手ですね」
「そうそう。何でも、日本のアニメとかマンガとかが好きらしくて。で、留学してきたそうよ。日本語もかなり勉強したんだって」
「だからなんですね」
「ただバイトの経験が無くて、初めてらしいのよ。だから、お客さん目線で気になることがあったら、遠慮なく教えてね」
「わかりました」
また、笑い声が聞こえてきました。
「もう。ちょっと注意してくるわね。じゃあ、ごゆっくり」
後ろを向いた由絵の髪が乱れているのに、萩子は気が付きます。
「あ、由絵さん。後ろの髪、くしゃくしゃになってますよ」
「えっ!?うそ!やだ」
予想外に由絵は取り乱し、慌てて手ぐしで髪を整えました。
「あっ、これは違くって。バックヤードがかなり散らかってるからって、旦那から連絡受けて整理してたのよ。棚の奥まで頭を突っ込んだりしてたから、それでかな」
何も訊いていないのに、何故か言い訳するように萩子に告げます。
「ほんとよ?」
更に念押しするように、顔を近付けてきました。
「はい」
気圧されて、躰を引きつつ返事します。
「旦那は本部に呼ばれていないし、男手は松友くんだけだし。こんなことなら、鮎川くんを休ませなければよかったって後悔したわ。それじゃ」
早口でそう言い残して、ばたばたとレジの方に戻っていきました。それを萩子は呆然として見送ります。
(何で焦ってたんだろう。ていうか、悠希くんを休ませなかったら、由絵さんも楽できたし、私も会えたのに・・・)
また理不尽な考えが浮かびました。
その時、テーブルに置いていたスマホが振動します。
手に取ると、悠希からのメッセージを受信した通知が表示されていました。急いでアプリを開きます。
《ハルミ:遅くなってすみません》
《ハルミ:サークルのことしてて気が付きませんでした》
《ハルミ:由絵さんから急遽休みにしてほしいって連絡があったので》
やっときたメッセージに嬉しくなり、すぐに返信します。
「留学生なんですか。日本語上手ですね」
「そうそう。何でも、日本のアニメとかマンガとかが好きらしくて。で、留学してきたそうよ。日本語もかなり勉強したんだって」
「だからなんですね」
「ただバイトの経験が無くて、初めてらしいのよ。だから、お客さん目線で気になることがあったら、遠慮なく教えてね」
「わかりました」
また、笑い声が聞こえてきました。
「もう。ちょっと注意してくるわね。じゃあ、ごゆっくり」
後ろを向いた由絵の髪が乱れているのに、萩子は気が付きます。
「あ、由絵さん。後ろの髪、くしゃくしゃになってますよ」
「えっ!?うそ!やだ」
予想外に由絵は取り乱し、慌てて手ぐしで髪を整えました。
「あっ、これは違くって。バックヤードがかなり散らかってるからって、旦那から連絡受けて整理してたのよ。棚の奥まで頭を突っ込んだりしてたから、それでかな」
何も訊いていないのに、何故か言い訳するように萩子に告げます。
「ほんとよ?」
更に念押しするように、顔を近付けてきました。
「はい」
気圧されて、躰を引きつつ返事します。
「旦那は本部に呼ばれていないし、男手は松友くんだけだし。こんなことなら、鮎川くんを休ませなければよかったって後悔したわ。それじゃ」
早口でそう言い残して、ばたばたとレジの方に戻っていきました。それを萩子は呆然として見送ります。
(何で焦ってたんだろう。ていうか、悠希くんを休ませなかったら、由絵さんも楽できたし、私も会えたのに・・・)
また理不尽な考えが浮かびました。
その時、テーブルに置いていたスマホが振動します。
手に取ると、悠希からのメッセージを受信した通知が表示されていました。急いでアプリを開きます。
《ハルミ:遅くなってすみません》
《ハルミ:サークルのことしてて気が付きませんでした》
《ハルミ:由絵さんから急遽休みにしてほしいって連絡があったので》
やっときたメッセージに嬉しくなり、すぐに返信します。

