この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
コンビニバイトの男の子
第9章 雨
悠希とメッセージをやり取りしたことで、余計に顔を見て話をしたくなります。
(もう、何で雨降るのよ!)
八つ当たりで窓を伝う雫を睨みます。仕返しするかのように、雨脚が強くなってきました。
スマホの天気アプリで雨雲レーダーを確認します。
(やだ。これからもっと降りそうじゃない)
現在地付近の雨は、今後強くなりそうでした。念の為明日以降の天気予報を見ると、来週も傘マークが続いています。
(これじゃ、来週も会えそうにないな・・・)
会いたいのに会えない、そのもどかしさが萩子をある行動に駆り立てました。
(・・・さっさと帰ろう)
残っていたコーヒーを飲み干すと、立ち上がって出入口に向かいます。
「アリガトゴザイマシター」
手前のレジにいたカレンが初々しく挨拶しました。
「あら、もうお帰り?」
由絵の声も聞こえてそちらに目を向けると、奥のレジに松友と一緒に立っていました。ふたりの距離がいやに近いのが、何か引っ掛かります。
「ええ。雨が強くなりそうなので。・・・ごちそうさまでした」
「ありがとーござっしたー」
「ありがとうございました。気を付けて帰ってね」
松友の軽い感じの挨拶に重ねて手を振る由絵が、横に立つ松友に躰をぶつけて押し離しました。
その仕草を気にしつつ自動ドアのすぐ外に立ち、傘を手に取って広げます。
(あのふたり、なんか・・・)
看板になっている狭い庇から一歩外に出ると、雨粒が傘を叩くざーっという大きな音が耳に入りました。
(うわっ、結構降ってるなー。急ごう)
早足で家路に向かう萩子の頭から、気掛かりだった由絵と松友の様子はあっという間に消えます。
自動ドアの閉まりかけに漏れてきた、
「じゃあカレンちゃん、私達またバックヤードの・・・」
という由絵の言葉も、雨音に消されて萩子の耳には届きませんでした。
/417ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ