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コンビニバイトの男の子
第9章 雨

『ごめんなさい。実は、もう萩子さんしか頼る人がいなくて、家の近くまで来ちゃってて』
「・・・コンビニの、由絵さんは?」
『何となく頼り難くて、連絡してません』
悠希が由絵よりも自分を頼りにしてくれていると判り、断ろうとしていた気持ちが薄れていきます。
もう一度、貴之が寝ている寝室の方向を見上げました。
(あれだけぐっすり眠っているし、朝までなら大丈夫よね)
萩子は、決心しました。
「わかったわ。今鍵開けるから」
通話したまま、立ち上がって玄関に向かいます。ドアの外から聞こえてくる雨音が、雨脚の激しさを萩子に伝えてきました。
照明を点けて、静かに鍵を開けます。姿見にパジャマ姿の自分が映っていますが、気にしていられません。
「凄い雨みたいだけど、大丈夫?今、開けたわよ」
『すぐに行きます』
そこで通話が切れ、1分も経たないうちに悠希がドアを開けて入ってきました。
「旦那さん居るんですよね?すみません」
「仕方ないわよ。寝てるから静かにね」
お互いに小声で会話します。
「ありがとうございます。助かりました」
「それよりも、全身ずぶ濡れじゃない。そこでちょっと待ってて」
萩子は小走りで脱衣室に行くと、自分が使ったタオルを手にして足早に玄関に戻りました。
「私が使ったので悪いけど、とりあえずこれで拭いて」
手渡す時に悠希の手に触れて、その冷たさに驚きます。
「悠希くん、躰冷えてるんじゃないの?」
「雨宿りするところ、なかなか無くて」
悠希の躰が小刻みに震えていることに、萩子は気が付きました。
(このままじゃ、ほんとに風邪引いちゃうかもしれない)
「拭いたら、お風呂に入って」
「い、いいんですか?」
「服も乾かさないと。こっちに来て」
悠希の手を引いて脱衣室に連れていくと、浴槽のお湯はりを開始します。
「服を脱いだら洗濯機に入れておいて、洗濯と乾燥機かけるから」
「わかりました。ありがとうございます」
「お湯はりが終わるまで、シャワーで躰を温めてね」
そう悠希に告げると、萩子は脱衣室を出てドアを閉めました。
「・・・コンビニの、由絵さんは?」
『何となく頼り難くて、連絡してません』
悠希が由絵よりも自分を頼りにしてくれていると判り、断ろうとしていた気持ちが薄れていきます。
もう一度、貴之が寝ている寝室の方向を見上げました。
(あれだけぐっすり眠っているし、朝までなら大丈夫よね)
萩子は、決心しました。
「わかったわ。今鍵開けるから」
通話したまま、立ち上がって玄関に向かいます。ドアの外から聞こえてくる雨音が、雨脚の激しさを萩子に伝えてきました。
照明を点けて、静かに鍵を開けます。姿見にパジャマ姿の自分が映っていますが、気にしていられません。
「凄い雨みたいだけど、大丈夫?今、開けたわよ」
『すぐに行きます』
そこで通話が切れ、1分も経たないうちに悠希がドアを開けて入ってきました。
「旦那さん居るんですよね?すみません」
「仕方ないわよ。寝てるから静かにね」
お互いに小声で会話します。
「ありがとうございます。助かりました」
「それよりも、全身ずぶ濡れじゃない。そこでちょっと待ってて」
萩子は小走りで脱衣室に行くと、自分が使ったタオルを手にして足早に玄関に戻りました。
「私が使ったので悪いけど、とりあえずこれで拭いて」
手渡す時に悠希の手に触れて、その冷たさに驚きます。
「悠希くん、躰冷えてるんじゃないの?」
「雨宿りするところ、なかなか無くて」
悠希の躰が小刻みに震えていることに、萩子は気が付きました。
(このままじゃ、ほんとに風邪引いちゃうかもしれない)
「拭いたら、お風呂に入って」
「い、いいんですか?」
「服も乾かさないと。こっちに来て」
悠希の手を引いて脱衣室に連れていくと、浴槽のお湯はりを開始します。
「服を脱いだら洗濯機に入れておいて、洗濯と乾燥機かけるから」
「わかりました。ありがとうございます」
「お湯はりが終わるまで、シャワーで躰を温めてね」
そう悠希に告げると、萩子は脱衣室を出てドアを閉めました。

