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コンビニバイトの男の子
第9章 雨
萩子がぺろっと舌を出し、唇の周囲に付いていた涎を舐めた。口元だけだが、笑っているのは明らかである。目隠しと手の拘束という不自由さを逆手に取って、淫らな行為を愉しんでいるのが見て取れた。
悠希はちらりと貴之を見てから、問い掛ける。
「貴之さんのは、飲んだことあるんですか?」
「貴之さんどころか、飲んだの初めてよ」
「じゃあ、これも僕が初めてなんですね」
「うん。悠希くんが初めて」
本人は意図していないのかもしれないが、貴之にはわざと名前を入れて強調されている気がした。
(忘れているどころか、もう眼中にないってことか)
寝取られ気質が喪失感を興奮に変え、躰が震える。
「萩子さんの初めて、もっと欲しいです」
感極まった悠希が屈み込んで唇を重ねた。脇に手を通して萩子を立ち上がらせる。萩子も、ほっそりとした腕を逞しい背中に回して協力した。その間も唇は離れることなく、濃厚なキスを繰り広げる。悠希の興奮が昂まっている分、これまでよりも激しさが増していた。鼻息とくぐもった喘ぎ声に加えて、唾液を交換し合うじゅるじゅるという音も寝室内に大きく響いている。完全にふたりの世界に没入していた。
(ふたりはこんなにも求め合ってるのか・・・)
悠希が萩子を抱いたまま向きを変え、ベッドに近付いてきた。進行方向に座っていた貴之は、慌てて場所を空ける。すぐ横に萩子が仰向けで寝かされた。振動でマットレスが震える。
悠希は萩子の両膝を掴むと、持ち上げながら左右に開いた。
「萩子さんのあそこ、毛が無いから丸見えですよ」
「いやぁあぁ・・・」
羞恥心を煽る言葉に、いやいやと頭を振る。しかし、拘束された手で隠そうとはせず、胸の辺りに置いていた。
「そのままですよ」
「恥ずかしい・・・」
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