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コンビニバイトの男の子
第9章 雨
「あぁあ!逝きますっ!!」
「はぁん!逝くぅぅっ!!」
「うっ!!」
媾いの喧騒が途絶え、階下が静まると同時に貴之も達した。堪え切れず漏らした声と共に、亀頭から少量の飛沫が飛散する。射精感が収まっても、びくびくと全身の痙攣が暫く続く。
階下からのがたんっという音に、貴之はオナニーでの射精の至福感から我に返った。
「ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。それよりハルくん、またいっぱい出たね」
「シュウさんの中、ほんと気持ちいいから」
「ほら、まだ出てくる」
「ああ、床に!」
「もう、こんなところでするからでしょ」
「すみません。何か拭くものは」
「後でいいよ。先にシャワー浴びよ」
「ええ、でも・・・」
「いいから」
ふたりの会話は、まるで自分達の家で過ごしているように、貴之の耳に届く。ぺたぺたと足音がした後、ふたりが脱衣室に入ったようで、再び静かになった。
(また、いっぱい出したのか。それに比べて・・・)
悠希の3回目の射精に対し、自身は2回目ながら量も少なく水のように薄い精液だった。またも雄としての劣等感を突き付けられた気がする。
「あぁん、いい、凄い」
階下から、微かにまた妻のよがり声が聞こえ出した。
(あぁシュウ、また気持ちよくしてもらってるんだな・・・)
萩子の頭からは、夫が寝室で寝ているということも完全に抜け、何度も悦ばせてくれる男性の躰に溺れているのは明白だった。
萩子が結婚指輪を外した後に、好きだと気持ちを伝えあっていたことを思い出す。
気がつくと、目から涙が溢れていた。目の前で妻を寝取られた悔し涙なのか、目の前で妻の寝取られを見ることができた嬉し涙なのか、貴之には解らなかった。
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