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コンビニバイトの男の子
第10章 耽溺
【8】
昨夜、突然悠希から会いたいという連絡があり、貴之は仕事を定時で切り上げて、クリスマスが近づいて街が賑わいをみせる中、以前密談で利用していた会社近くのレストランに向かった。
メッセージやメールのやり取りは続いていたものの、公園へのウォーキングもしなくなりコンビニに通うことも無くなったため、悠希と会うのは萩子との行為を目の前で見ることを打合せした日以来、実に約半年ぶりである。
以前と同じように約束の時間前に到着したが、悠希は以前とは違ってまだ来ていなかった。
(鮎川君が先に来ていないなんて、初めてだ。向こうからの誘いも初めてだったし、しかも突然に・・・。一体、何だろう・・・)
これまでと違う初めてのことに、漠然とした不安を感じつつ、誰もいない個室に通され、ひとり椅子に座る。
オーダーを訊きに来た店員に、連れが来てからと一旦退室してもらい、悠希の到着を待った。
(遅いな・・・)
スマートフォンのメッセージアプリを何度か確認するが、悠希からの受信はない。
《星野貴之:レストラン着いたけど、遅れてるかな?》
途中、メッセージを送ったが未だに既読も付かない。
約束の時間から20分程経過し、流石に心配になって悠希に直接電話しようかと思い始めた時、個室のドアがノックされた。
(来た!)
貴之の胸の鼓動が早くなる。
「は、はい」
悠希がドアを開けて入って来た。
「こんばんは。お待たせして、すみませんでした。ちょっと学校の用事が長引いたらしくて」
(長引いた、らしくて?)
どういうことだと思っていると、開けたままのドアの方を向いて悠希が声を掛ける。
「入って」
現れた人物に、貴之は思わず立ち上がり声を上げた。
昨夜、突然悠希から会いたいという連絡があり、貴之は仕事を定時で切り上げて、クリスマスが近づいて街が賑わいをみせる中、以前密談で利用していた会社近くのレストランに向かった。
メッセージやメールのやり取りは続いていたものの、公園へのウォーキングもしなくなりコンビニに通うことも無くなったため、悠希と会うのは萩子との行為を目の前で見ることを打合せした日以来、実に約半年ぶりである。
以前と同じように約束の時間前に到着したが、悠希は以前とは違ってまだ来ていなかった。
(鮎川君が先に来ていないなんて、初めてだ。向こうからの誘いも初めてだったし、しかも突然に・・・。一体、何だろう・・・)
これまでと違う初めてのことに、漠然とした不安を感じつつ、誰もいない個室に通され、ひとり椅子に座る。
オーダーを訊きに来た店員に、連れが来てからと一旦退室してもらい、悠希の到着を待った。
(遅いな・・・)
スマートフォンのメッセージアプリを何度か確認するが、悠希からの受信はない。
《星野貴之:レストラン着いたけど、遅れてるかな?》
途中、メッセージを送ったが未だに既読も付かない。
約束の時間から20分程経過し、流石に心配になって悠希に直接電話しようかと思い始めた時、個室のドアがノックされた。
(来た!)
貴之の胸の鼓動が早くなる。
「は、はい」
悠希がドアを開けて入って来た。
「こんばんは。お待たせして、すみませんでした。ちょっと学校の用事が長引いたらしくて」
(長引いた、らしくて?)
どういうことだと思っていると、開けたままのドアの方を向いて悠希が声を掛ける。
「入って」
現れた人物に、貴之は思わず立ち上がり声を上げた。

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