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夜に咲く名前のない恋人達
第11章 売上バトル
そして、司チームのホストのマイクパフォーマンスが始まる。

「本日の売上No.1だった姫様っ!! いつもありがとうございますっ!! 担当の司に一言お願いしますっ!!」

マイクを渡された姫は、アイドルボイス全開で声を弾ませた。

「司っ!!いつも幸せいっぱいにしてくれてありがとねっ!! 今月のイベント絶対に勝ってねっ!!」

それに対して、司も余裕たっぷりの笑みを浮かべながら、姫の肩を抱き寄せた。

「今日200万使ってくれてありがとう。絶対に勝つからな?」

司チームのホストが一気に沸き立つ。

「おーーーっ!!さすが姫様っ!!」

「姫様、カッコよすぎーっ!!」

ホストたちの歓声が飛び交う。

この盛り上がりを独り占めしたくて、担当に金を積むのだ。

ラスソンの歌が始まる。

しかしルカチームのホストたちは、誰一人として声を上げなかった。

「200万だって……」

そんなルカチームの声に、ぷりんの顔が青ざめていく。

ルカチームも全力を尽くしていたはずなのに、またしても司との差が大きく開いてしまった。

「ルカくん……」

また差が開いたバトルの売上金額。

もしも負けたら……

ルカくんはどうなっちゃうんだろう……

もう考えたくなかった。

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