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夜に咲く名前のない恋人達
第13章 ルカとデート

田舎育ちのぷりんにとって、どこか懐かしい雰囲気が漂っている。
「ほら、行くぞ」
ルカに手を引かれて、少しドキッとするぷりんは、すぐに周りの視線を気にしてしまう。
「だ、大丈夫かな? 知ってる人に見られたら……」
「一応妹ってことになってるんだろ?」
確かにSNSではホストの妹ということになっている。
ただはっきりルカの妹と言われると、少し寂しい気持ちになった。
「家族と出掛けました。って言えば問題ないか……」
「それにこんなとこまで来てるんだから、ファンに会う確率の方が低いだろ?」
「……まぁ、そうだけど……妹か……」
アイドルという足枷のせいで、いつまでもコソコソと過ごすことになる事に、寂しさが溢れるぷりんだった。
商店街には、昔ながらの駄菓子屋やたこ焼き屋が並んでいた。
「ぷりんって甘いもの好きか?」
「うん。好きだよ」
「ぷりんって名前だから甘いもの好きに決まってるよな?あれ食べよっか?」
ルカが指差したのは、焼きたてのたい焼き屋さん。
湯気がほわほわと立ちのぼり、甘い香りが漂ってくる。
「わぁ、おいしそうっ」
「何味にする?」
「うーん……普通のあんこ!」
「じゃあ俺はカスタードな」
ルカがサッとお金を出して、たい焼きを二つ買う。
「えっ、いいの?」
「当たり前だろ?お前、たいして稼いでないだろ?」
「あっ……」
ぷりんは言葉が喉に詰まった。
麗香のせいでかなりの借金を抱えた上で、命を賭けた戦いの真っ最中だ。
お金がないのはルカの方だろう。
明日ルカくんはどうなるの……?
私はどうすればいいの……?
そう思ったが、せっかくルカが遠くまで連れてきてくれたデート。
空気を壊さないように、デートを楽しむことにした。
「……ありがとう」
ぷりんは受け取ったたい焼きを頬張る。
「あつっ……」
「慌てて食うからだよ」
ルカは笑いながら、自分のたい焼きを一口かじる。
「これ旨いな?」
「うんっ!!すごく美味しいっ」
そんな他愛もないやりとりが、まるで高校生の青春みたいだった。
アイドル、ホスト、命賭けのバトル、麗香の条件。
そんなものを全部忘れてしまいそうだった。
「ほら、行くぞ」
ルカに手を引かれて、少しドキッとするぷりんは、すぐに周りの視線を気にしてしまう。
「だ、大丈夫かな? 知ってる人に見られたら……」
「一応妹ってことになってるんだろ?」
確かにSNSではホストの妹ということになっている。
ただはっきりルカの妹と言われると、少し寂しい気持ちになった。
「家族と出掛けました。って言えば問題ないか……」
「それにこんなとこまで来てるんだから、ファンに会う確率の方が低いだろ?」
「……まぁ、そうだけど……妹か……」
アイドルという足枷のせいで、いつまでもコソコソと過ごすことになる事に、寂しさが溢れるぷりんだった。
商店街には、昔ながらの駄菓子屋やたこ焼き屋が並んでいた。
「ぷりんって甘いもの好きか?」
「うん。好きだよ」
「ぷりんって名前だから甘いもの好きに決まってるよな?あれ食べよっか?」
ルカが指差したのは、焼きたてのたい焼き屋さん。
湯気がほわほわと立ちのぼり、甘い香りが漂ってくる。
「わぁ、おいしそうっ」
「何味にする?」
「うーん……普通のあんこ!」
「じゃあ俺はカスタードな」
ルカがサッとお金を出して、たい焼きを二つ買う。
「えっ、いいの?」
「当たり前だろ?お前、たいして稼いでないだろ?」
「あっ……」
ぷりんは言葉が喉に詰まった。
麗香のせいでかなりの借金を抱えた上で、命を賭けた戦いの真っ最中だ。
お金がないのはルカの方だろう。
明日ルカくんはどうなるの……?
私はどうすればいいの……?
そう思ったが、せっかくルカが遠くまで連れてきてくれたデート。
空気を壊さないように、デートを楽しむことにした。
「……ありがとう」
ぷりんは受け取ったたい焼きを頬張る。
「あつっ……」
「慌てて食うからだよ」
ルカは笑いながら、自分のたい焼きを一口かじる。
「これ旨いな?」
「うんっ!!すごく美味しいっ」
そんな他愛もないやりとりが、まるで高校生の青春みたいだった。
アイドル、ホスト、命賭けのバトル、麗香の条件。
そんなものを全部忘れてしまいそうだった。

