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夜に咲く名前のない恋人達
第13章 ルカとデート
ぷりんの戸惑いをよそに、ルカは100円玉を取り出し、UFOキャッチャーのコイン投入口へと入れる。

「取ってやるよ」

「え、取れるの?難しいんじゃないの?」

「見てろよ。こういうの俺、得意なんだ」

ルカは軽く笑いながらレバーを動かし、慎重にアームをぬいぐるみの真上へと運ぶ。
ボタンを押すと、アームがゆっくりと下降して掴んだ。

アームが猫のぬいぐるみをしっかりと挟み、ゆっくりと持ち上げる。

ドキドキしながら見守るぷりんの前で、ルカはそのまま景品口へと運び、見事にゲットした。

「ほら。やるよ」

「すごっ……」

驚きつつも、ルカから差し出されたぬいぐるみを受け取る。

「よかったな」

「うん……ありがとう……」

「黄色のフリフリドレス。なんか、ぷりんみたいだなって思って」

たしかに、アイドル衣装のときの自分と少しだけ似ているかもしれない。

「……えへへ」

「なに笑ってんだよ」

「ううん、なんでもない。幸せだな~って思って」

ぷりんは、そっとぬいぐるみを抱きしめた。

アイドルとしては、好きな人から貰ったプレゼントに、愛着を持ってはいけないのかもしれない。

ファンの人を裏切ることになるから……

でも、今日くらいは……

ぷりんはぬいぐるみを片手に抱えたまま、店内を歩いていく。

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