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わたしの放課後
第12章 床上手
 今日は学校で進路希望の調査用紙が配られた。来年は3年生だから、クラスの振り分けも文系と理系にはっきり分かれる。わたしは文系にしようと思っているけど、どちらにするか迷っているクラスメイトもいて、受験雑誌とにらめっこしている。わたしももっと真剣に考えないといけないのだろう。文系科目の方が理系科目よりもやや得意ということだけが文系にしようと思っている理由だから。

 考えている職業があればそれを記入する欄もある。本を読むのが好きだから図書館のお仕事とかあったらいいかなと思うけど、あまり具体的に考えているわけでもない。本を作る編集みたいなお仕事とかはすごく大変そう。締め切りが迫っているのに作家の人がなかなか原稿を書いてくれないとか。人に振り回されたり身を削るような厳しいお仕事は、わたしにはたぶん務まらないと思っている。

 おじさんのお店で『江戸の遊女の本』を見つけた。遊女って『遊んでる女』みたいな文字面だけど、これこそ自分が選んだわけでもないお客の相手をするという身を削るお仕事だと思う。花魁と呼ばれるくらいの人は知識や教養も持っていたらしいし、お客を選んだりもしていたようだから、体力的にはまだよかったのかな。浮世絵が売られたりして今の世の中で言うアイドルみたいな存在でもあったらしい。芸能界みたいなものだったのかな。まあ、アイドルなんてわたしには縁遠い世界だと思うけど。そんなことを思いながら、何冊かの本と一緒に文机に置いた。

 「お待たせしちゃいました」

 お布団の上に座って、奥の部屋にいるおじさんに声を掛ける。

 「いい本たちが見つかったかな?」

 そう言いながらおじさんがからだを重ねてくる。わたしはいつものようにおじさんを迎え入れる。おじさんはわたしをアクメに導いてくれると、おじさんもそのまま射精した。
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