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午後四時までの性隷
第35章 乱された日常
「ママ、ただいま!」

「お…おかえり、さ…皐月」

すんなりと言葉が出なかったのには理由があります。

昨日のあの彼が、娘の背後にいたからです。

「お邪魔します。お母さん」

翔という男の子のやけに落ち着いた態度が、気に障りました。

「やだもぅー、翔くんったらぁー、『お母さん』だなんてぇ」

娘は勝手に耳を赤くして照れています。

やはり彼に対して、強い恋愛感情を強く持っているからなのでしょう。

「じゃあなんて呼べばいいんだい?ねぇ、お母さん」

「おばさん、でしょ、普通はぁ。翔くんはそういうところ、すっごく大人っぽいよね」

「そう?おばさんって歳でもないじゃないか、皐月のお母さんは。お姉さんっていっても通じるんじゃないか?」

まるで品定めをするような視線でした。

全身を舐め回すよう、しげしげと…。

その視線は娘の皐月を見るときと私を見るときとは、全く異なっていました。

いやらしい視線、といっても過言ではありません。

「明日はメインイベントの英語なの。翔くん、去年までアメリカに住んでた帰国子女なんだよ。私は英語苦手だから教えてもらうことにしたの。ママ、お昼は二人分作ってくれる?いいでしょ?」

淀みなく話す娘は、本当に勉強だけをするつもりなのでしょうか…。

また隙あらば、と考えているのでしょうか…。
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