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夜をほどく
第13章 冷たい光、熱い影
会社帰りの電車のなか、スマートフォンの画面を見つめたまま、紗江は動けなかった。

《ホテルに、また行こう》

単刀直入で、少し乱暴な誘いだった。
でも、その言葉の行間に、切実な熱が潜んでいるのがわかった。

返事はしなかった。
けれど、足は自然とその方向に動いていた。
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