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夜をほどく
第13章 冷たい光、熱い影

部屋に入った瞬間、彼の腕が背中から抱きすくめてくる。
無言のまま、唇が首筋に這い、耳元で低く、彼が囁く。
「……離れられない」
その声が、心の奥の弱いところを引き裂いた。
そのまま彼に背中を向けたまま、紗江は自分からワンピースのファスナーを下ろした。
音もなく落ちていく布。
その下にある、女としての身体。
彼の手が、震えながらそれに触れた。
「この肌……何度触れても、夢みたいで……怖い」
ベッドに押し倒される。
光貴の指が、熱をもって彼女の胸をなぞり、唇が乳房の先を優しく含んだ。
熱い舌がゆっくりと転がるたび、紗江の吐息が甘く震える。
「だめ、そんな……声、出ちゃう……」
「出していい。もっと聞かせて……お前が、俺を求める声を」
脚を開かされ、指先がそこに触れた瞬間、思わず声が漏れる。
求められている。欲しがられている。
それだけで、罪も現実も溶けていく。
「ねぇ……好き、なんだよ。あなたが」
初めて、紗江は口にした。
これまで言えなかった、たったひとつの本音。
光貴の動きが止まり、そして、静かに額を合わせてくる。
「……俺も、好きだ。ずっと前から……でも」
でも、の後は続かなかった。
かわりに、彼の熱が彼女の中へと深く、深く入ってくる。
「もう……止められないよ」
「……うん、壊れてもいい」
肉体と心の奥まで満たされていく感覚。
世界から、ふたりだけが切り離されていく。
その夜、ふたりは“本気”という名の奈落に落ちた。
無言のまま、唇が首筋に這い、耳元で低く、彼が囁く。
「……離れられない」
その声が、心の奥の弱いところを引き裂いた。
そのまま彼に背中を向けたまま、紗江は自分からワンピースのファスナーを下ろした。
音もなく落ちていく布。
その下にある、女としての身体。
彼の手が、震えながらそれに触れた。
「この肌……何度触れても、夢みたいで……怖い」
ベッドに押し倒される。
光貴の指が、熱をもって彼女の胸をなぞり、唇が乳房の先を優しく含んだ。
熱い舌がゆっくりと転がるたび、紗江の吐息が甘く震える。
「だめ、そんな……声、出ちゃう……」
「出していい。もっと聞かせて……お前が、俺を求める声を」
脚を開かされ、指先がそこに触れた瞬間、思わず声が漏れる。
求められている。欲しがられている。
それだけで、罪も現実も溶けていく。
「ねぇ……好き、なんだよ。あなたが」
初めて、紗江は口にした。
これまで言えなかった、たったひとつの本音。
光貴の動きが止まり、そして、静かに額を合わせてくる。
「……俺も、好きだ。ずっと前から……でも」
でも、の後は続かなかった。
かわりに、彼の熱が彼女の中へと深く、深く入ってくる。
「もう……止められないよ」
「……うん、壊れてもいい」
肉体と心の奥まで満たされていく感覚。
世界から、ふたりだけが切り離されていく。
その夜、ふたりは“本気”という名の奈落に落ちた。

