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わたしの妄想日誌
第6章 若い子と(2)
 事が終わった後のピロートーク。いつもは同世代のおじさんとすることがほとんどだけど、たまには若い子もいいものね。わたし的には満足できた。

 「あの、ひとつきいていいですか?」
 「どうぞ? いいわよ」
 「おねえさんって何歳なんですか?」

 若い子らしい単刀直入な質問。別に構わないけど。『おばさん』じゃなくて『おねえさん』に言い換える気遣いはできるのね。でも、正直に答えていいものやら悪いものやら。

 「『昭和』生まれよ」

 小出しに答えてみる。

 「え? おねえさん、昭和生まれなんですか?」
 「そうだけど?」
 「見えないですね」

 『昭和』ってそんなに昔かしら。しかも同じ『昭和』でもギリギリ『昭和』とかではなくて、〇十年代生まれなのだけど。

 「見えないですよ。ぜんぜん見えない」
 「そう? ありがと」

 褒められているのか呆れられているのか定かではないけど、とりあえずお礼を言ってみる。

 「『昭和』かぁ…」

 そんなに感心することでもないと思うけど。

 「あの…『西暦』でいうと…?」

 なかなかしつこいわね。

 「二十世紀よ」
 「千九百年代…」

 なんだか骨とう品みたい。自分でも可笑しくなるけど二十一世紀生まれではないから仕方がない。

 「そりゃそうですよね。すみません。へんなこと聞いちゃって」

 はぐらかされてばかりで、ようやく諦めてくれたようだ。『へんなこと』でもないとは思うけど、やっぱり歳は歳よね。自分でも正直に答えることにためらいがあるくらいなのだから。

 「別に構わないけど。こちらこそ若くなくてごめんなさいね」
 「いえ、そんなことないです。若いです。すごく若いです」

 そうよ。貴男だって何度もイってたじゃないの。そこまで一生懸命フォローしてくれるくらいなら、はじめから歳なんかきかなければよかったわね。

 「ありがと。お世辞でもうれしいわ」
 「お世辞なんかじゃないです。歳なんか関係ないってよくわかりました」

 やっぱり、まだ歳のことが気になるのかしらね。何がどうわかったのか、よくわからないけど、とりあえず感激してるみたいだから許してあげる。ホテルを出たらステーキでもおごってあげようかしらね。

 「なんか、その、『消費期限』と『賞味期限』の違いがわかったような気がします」

 やっぱり許さない。
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