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わたしの妄想日誌
第3章 母の浮気相手
 学校から帰ると、今日もお母さんの浮気相手がお家に来ていた。リビングからお母さんの切なそうな…だけどうれしそうな声が聞こえてくる。わたしは脱いだ靴を靴箱にしまう。

 浮気していることがわたしにバレたとき、お母さんは『お願いだからお父さんには黙っていて…』って目に涙をためていたから、わたしもお父さんには何も言っていないけど…。もうこれで浮気も終わり…って思ったら、ぜんぜんそんなことはなくて、なんかふっ切れたみたいに、前よりも大胆になっちゃった。

 浮気が終わってから玄関にわたしの靴があるのを見付けても、なにも気が付かなかったかのように接してくるのは驚いた。こっちが気まずくなっちゃって、それからわたしはとにかく同じようなときには、脱いだ靴はせめて靴箱にしまうことにしている。わたしに泣いてお願いしていたのは、お父さんに黙っていてほしい…という思いがあったのだろうことはもちろんだろうけど、オジサンとの関係がこれで終わりになるようなことはしないで…というお願いでもあったみたい。

 オジサンは何かのセールスをしていて、半年くらい前にお家を訪ねてきた…と、お母さんは言っていた。気が付いたらそうなっていた…みたいなことを言っていた。恥じらいながらもどことなく、お母さんはうれしそうに見えてしまった。

 お父さんは月に一回くらいお家に帰ってくる。お母さんはうれしそうに食卓に料理を並べたり、冷やしたビールを冷蔵庫から取り出して栓を開けたりしている。秘密を知っている娘がすぐそこにいることなど眼中にないみたい。わたしは感心してしまう。女同士の秘密は守られるって信じているのだろうか。何も知らないお父さんがかわいそうになってくる。この際、お父さんも仕事先で浮気でもしていてほしくなるくらい。
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